保健師のまとめブログ

保健師が気になった情報をまとめています。

まずは保健師助産師看護師法


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自分たちを定義する法律「保健師助産師看護師法」です


保健師に関係するものを取り出してみると

第1条
この法律は、保健師助産師及び看護師の資質を向上し、もつて医療及び公衆衛生の普及向上を図ることを目的とする。

保助看法の目的は、保健師助産師・看護師つまり私たちの資質を向上させることで、医療と公衆衛生の普及向上を図ることです。

第2条
この法律において「保健師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、保健師の名称を用いて保健指導に従事することを業とする者をいう。

保健師の名称を用いて保健指導に従事することを業としている人」が保健師です。「保健師とは厚生労働大臣の免許を受けて保健指導を行うことを業とする者」ではなく「保健師の名称を用いて保健指導を行う者」となっていますが、ここポイントです。テストに出ます。

第3条
この法律において「助産師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、助産又は妊婦、じよく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子をいう。
第5条
この法律において「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう。

助産師と看護師の共通点は「○○の名称を用いて」と書かれていないこと。となると、助産師と看護師は誰でも名乗ってもいいってことになっちゃいます。
(誰でも名乗っちゃまずいだろと思うかも知れませんがちゃんと法律の後半でフォローされてます)。助産師だけにある特徴と言えば「女子」が入っていること。このため、男子は助産師になれません。

第9条
次の各号のいずれかに該当する者には、前2条の規定による免許(以下「免許」という)を与えないことがある。
1 罰金以上の刑に処せられた者
2 前号に該当する者を除くほか、保健師助産師、看護師又は准看護師の業務に関し犯罪又は不正の行為があつた者
3 心身の障害により保健師助産師、看護師又は准看護師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
4 麻薬、大麻又はあへんの中毒者

「1-4に該当するときは免許与えないこともあるよ」by厚労相って意味

第12条
免許は、保健師国家試験、助産師国家試験若しくは看護師国家試験又は准看護師試験に合格した者の申請により、保健師籍、助産師籍若しくは看護師籍又は准看護師籍に登録することによつて行う。

「免許は試験に合格した者の申請により籍に登録することによって行う」ってことなので、国試に受かっても、籍に登録しないと、免許もらえないので注意。
遠足は家に帰るまでが遠足ですが、国試は籍に登録するまでが国試です。

第13条
厚生労働大臣は、保健師免許、助産師免許又は看護師免許を申請した者について、第9条第3号に掲げる者に該当すると認め、同条の規定により当該申請に係る免許を与えないこととするときは、あらかじめ、当該申請者にその旨を通知し、その求めがあつたときは、厚生労働大臣の指定する職員にその意見を聴取させなければならない。

免許を申請した人に第9条に該当する人がいて、「免許を与えない」と決めたら(?)前もって本人に通知し、求めがあったら意見を聞かないといけないよという内容。

第14条
保健師助産師若しくは看護師が第9条各号のいずれかに該当するに至つたとき、又は保健師助産師若しくは看護師としての品位を損するような行為のあつたときは、厚生労働大臣は、その免許を取り消し、又は期間を定めてその業務の停止を命ずることができる。

すでに保健師助産師看護師の人で第9条に該当したり、保健師助産師看護師の品位を損ねる行為をしたやつがいたら免許取り消しか免許停止できる。けど取り消ししても復活させることもできるよという内容。

第15条
厚生労働大臣は、前条第1項又は第3項に規定する処分をしようとするときは、あらかじめ医道審議会の意見を聴かなければならない。

そのままの意味です。

第18条
保健師国家試験、助産師国家試験及び看護師国家試験は、厚生労働大臣が、准看護師試験は、都道府県知事が、厚生労働大臣の定める基準に従い、毎年少なくとも1回これを行う

毎年1回は国試やること。ちなみに年1回になったのは平成2年になってからであり、昔は年2回あったそうな。

第29条
保健師でない者は、保健師又はこれに類似する名称を用いて、第2条に規定する業をしてはならない。

これって、保健師以外の者が「保健師の名称を用いて保健指導すること」を禁じているので、「保健師の名称を用いないで保健指導を行うこと」は、禁じられていません。保健指導は適切であれば誰がやっても「保健師」と名乗らない限り問題ないんです。

というよりは保健指導を保健師の独占業務にしちゃうと、栄養士や薬剤師が保健指導することも、場合によっちゃ「あるある」「スパスパ」「がってん」「思いっきり」も、保健師助産師看護師法違反となっちゃう可能性がでてくるため、独占業務化は難しいはず。

第31条
看護師でない者は、第5条に規定する業をしてはならない。ただし、医師法又は歯科医師法の規定に基づいて行う場合は、この限りでない。
第2項
保健師及び助産師は、前項の規定にかかわらず、第5条に規定する業を行うことができる。

医師と歯科医師保健師助産師は看護師の業務ができるってこと。
ただ、これに関しては、昔は「看護学校卒業」→「保健師学校入学」という流れが主だったので問題が表面化しませんでしたが、看護師養成と保健師養成を平行して行う「大学」や「統合カリキュラム校」が増えたために、「看護師試験」と「保健師試験」を同時に受験する人が増えました。
で、その結果でてきたのが「看護師落ちて保健師受かった」というパターン。


このパターンですが、保健師は受かっているので第31条2項(10行ぐらい上の太文字)により、看護師の業務も行うことができます。
しかし、「看護師に落ちたのに第31条の規定で看護師の業務するのは不適切でないか?」という声が国会であがり、議論されています。今後は「保健師助産師持っていても看護師免許ないと看護師業務できない」「看護師免許持ってないと、保健師助産師受かっても免許あげない」となりそうです。

第35条
保健師は、傷病者の療養上の指導を行うに当たつて主治の医師又は歯科医師があるときはその指示を受けなければならない。
第36条 
保健師は、その業務に関して就業地を管轄する保健所の長の指示を受けたときはこれに従わなければならない。ただし、前条の規定の適用を妨げない

保健師は指導の相手に主治医が居ればその指示に従うこと。保健所長何かを(何?)指示したら、それに従うこと。だけど主治医が優先です。

第37条
保健師助産師、看護師又は准看護師は、主治の医師又は歯科医師の指示があつた場合を除くほか、診療機械を使用し、医薬品を授与し、医薬品について指示をしその他医師又は歯科医師が行うのでなければ衛生上危害を生ずるおそれのある行為をしてはならない。ただし、臨時応急の手当をし、又は助産師がへその緒を切り、浣かん腸を施しその他助産師の業務に当然に付随する行為をする場合は、この限りでない。

臨時応急の手当ての時以外は、医師・歯科医師の指示がないと医療行為(医師又は歯科医師が行うのでなければ衛生上危害を生ずるおそれのある行為)はやってはいけないとなっています。

第42条の2
保健師、看護師又は准看護師は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。保健師、看護師又は准看護師でなくなつた後においても、同様とする。

守秘義務です。「あれ?助産師が抜けている」と気づいた方もいらっしゃるかもしれませんが、助産師については「刑法」の方で規定されています。下記参照。

刑法第134条(秘密漏示)
医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

生誕の場であるほか、助産師は「死産証書」や「死胎検案書」と言った部分にも関わるので、刑法に含まれているんでしょうね。



◇参考リンク
保健師助産師看護師法 厚生労働省法令等データベースシステム
刑法第134条(秘密漏示) 法庫
医療関係資格に係る守秘義務の概要 厚生労働省