保健師のまとめブログ

保健師が気になった情報をまとめています。

C型肝炎/保健所・市町村で要診療者に受診勧奨


下のバナーをぽちっと押していただけるとブログ作成の励みになりますm(_ _)m↓
やる気成分が2mgぐらい増えます。

看護 ブログランキングへ

都道府県における健診後肝疾患診療体制に関するガイドライン(案)、肝炎対策リーフレット等の資料が掲載されていました。


第3回全国C型肝炎診療懇談会資料(平成19年1月26日開催)

1.要診療者に対する保健指導

肝炎検診で要診療とされた者が医療機関を受診することは、検診後肝炎診療の第一歩であり、受診率の低下は、検診後肝炎診療全体の有効性を大きく低下させるものである。しかし、一般にウイルス性慢性肝炎は、自覚症状に乏しく、治療・経過観察の必要性について理解が得られにくい場合がある。受診率の向上・維持のためには、検診で要診療とされた者に対する啓発が不可欠である。
したがって、検診において要診療とされた者に対して、保健所又は市町村の医師や保健師が、以下の流れに沿って、肝疾患に関する基本的事項の説明及び医療機関への受診勧奨を行うこととする。

1.方法
  • 要診療者が検査結果の意味や精密検査の必要性と意義、今後の対応等について正しく理解することができるよう、要診療者に対する保健指導は、プライバシー に配慮しつつ、医師や保健師が家庭訪問または来所相談等を通じ、直接本人に面接等で対応することが望ましい
  • 要診療者の都合により面接ができない場合は、プライバシーに配慮しつつ検査結果を通知し、併せて肝疾患に関する基本的事項や受診の必要性、希望に応じて医師や保健師が相談対応すること等を記載したパンフレット等を送付するなどして受診を勧奨する。
  • 後日、当該要診療者が受診したか否か、またその診療内容について確認することが望ましい
2.内容

下記の内容が含まれた媒体(パンフレット等)を用いて、要診療者に対し肝疾患に関する基本的事項の説明及び受診勧奨を行う。

  • 肝炎ウイルスの身体への影響(肝炎から肝硬変・肝がんへの進行の可能性、自覚症状のないことが多いこと等)
  • 精密検査の必要性や治療の意義(肝機能検査が正常であっても定期的な経過観察を必要とすること、治療が必要な場合、適切に行うことによってウイルス排除も可能であること等)
  • 地域の医療提供体制(それぞれの地域における肝疾患診療に関する医療提供体制、専門医療機関とかかりつけ医との連携があること等)
  • 日常生活の留意点(飲酒、食生活、運動等)
  • 感染予防対策(通常の日常生活では感染しないことや感染予防の留意点(B型肝炎とC型肝炎で原因ウイルスやその特性に相違があることを含む)等)
  • 定期的な医療機関受診の必要性
  • 自己管理の重要性(受診結果を記録する等)
  • その他(肝炎ウイルスに感染していること自体で就業制限を受けないこと、患者団体の情報等)
3.留意点
  • プライバシーに配慮して対応する。
  • 要診療者の疑問、不安について、丁寧に対応する。
  • 疑問や不安について、引き続き相談対応することを伝えておく。なお、要診療者の認識を高めるためには、肝疾患の治療や感染経路等に関して、肝臓病教室や肝臓病相談会等を通じて一般住民に対し日頃から啓発を行っておくことが重要である。
4.受診勧奨後の要診療者の状況把握について

保健所や市町村においては、要診療者に対する支援のため、受診勧奨後の要診療者の受診状況や診療内容について、把握しておくことが望ましい
この際、本人の同意を得る必要がある。また、同意を得られた者のうち、未受診者又は受診中断者に対しては、再度、面接や文書等により、相談・受診勧奨を行うことが望ましい
なお、上記により把握された要診療者に関するデータ(受診状況や診療内容)については、本人に対する支援に活用するほか、個人非特定とする等個人情報保護に十分配慮した上で、都道府県等に設置する肝炎診療協議会において評価を行い、その後の肝炎対策に活用することが望ましい

となっています。ちなみに厚労省の「望ましい」=「保健所と市町村は、わかっているとは思うが・・やれよ」ですので、ちゃんと、実施しておきましょう。