保健師のまとめブログ

保健師が気になった情報をまとめています。

市町村保健活動の再構築に関する検討会資料が一挙に更新(後半)


下のバナーをぽちっと押していただけるとブログ作成の励みになりますm(_ _)m↓
やる気成分が2mgぐらい増えます。

看護 ブログランキングへ

市町村保健活動の再構築に関する検討会資料が一挙に更新 - 保健師のまとめブログ2の後半です


要約してみた。

6.市町村保健活動体制の再構築に向けて


(1)市町村保健活動の現状と課題


1)市町村が住民の健康問題の課題を把握し、PDCAサイクルに基づき保健活動を推進するための基盤整備
・市町村保健師の活動内容は直接サービスである家庭訪問や健康相談が減少傾向
・直接サービスの減少と直接サービスの外部委託は、保健師による地域の健康課題の把握の機能低下につながる
・分散配置、業務分担、外部委託により市町村が保健事業についてPDCAサイクルを回せなったため、効果が見えにくくなっている


2)技術職が各部門に分散配置されているなかで組織横断的対応が可能となる体制整備
・母子保健や感染症対策の時代は保健衛生部門に集中配置されていたが、市町村の保健サービスの多様化により、介護や児童福祉など様々な部署に配置され、他職種と協働して活動するようになった
・中堅保健師は介護包括支援センターや障害福祉部門に配置され、保健衛生部門には十分配置されていない
保健師の分散配置により、保健師も単なる一事業担当者となり事務的な仕事が増え、保健師の専門性が十分発揮されていない


3)技術職が分散配置されたなかでの、人材育成体制の整備
・実習時間が十分ではないため、市町村には(採用後の)新人教育体制の整備が求められる
・分散配置により、中堅保健師が保健衛生以外の部門に配置されているため、新人保健師OJTにあたる直属の上司がいない傾向があるなど、採用後の教育体制の整備が急務である


4)市町村保健活動を強化するための住民組織やNPOとの協働・連携のあり方
・保健活動は、市町村が中心となって保健サービスを提供してきたが、これからは住民組織・NPOと役割を分担しながら、保健活動を推進していくことが求められている
・住民組織やNPOとは協働・連携して効率的効果的な保健サービスを提供するだけでなく、住民組織やNPO自身が地域課題を解決できるようになることも期待されている


5)都道府県との協働のあり方
・市町村は都道府県に対し、市町村保健活動の企画・評価に関する支援や保健活動に対するスーパーバイザー的な役割を期待している
・しかし、保健所は地域保健法の施行により、専門的な業務を担当していることもあり、また保健所の統廃合により管轄市町村のエリアも広がったため、市町村の中身を十分理解できていない


(2)市町村保健活動体制の再構築に向けての推進方策


1)市町村が住民の健康問題の課題を把握し、PDCAサイクルに基づき保健活動を推進するための基盤整備
一.地域の健康ニーズや課題を把握するためには、多様な手段を用いて把握することが必要
・データや関係団体の意見を統合することが重要
・個人の課題を地域の課題と関連させることと、地域の課題から個人の事例に戻って確認し明確化していく
特定健診保健指導では、保険者である国保部門のデータと保健衛生部門が持つ地域全体のデータを突合させて計画を作成すること
二.市町村が主体になり取り組むニーズや課題と外部委託可能なニーズ・課題を明確にし、企画することが重要
・委託が可能なもの
住民健診など定型化されたもの、育児悩みの相談など家族機能や地域機能でできるもの
・外部委託が無理なのも
施策や保健福祉計画策定と評価、不採算業務、地域住民だけでは解決できない課題、個人情報保護で倫理的に問題があるもの
三.地域住民やNPOの意見がPDCAサイクルに反映できるようにすることも重要
・地域住民や関係者の意見は、保健師等が気づきにくい視点に気づくきっかけにも
・評価の際は、地域住民が満足しているか把握し、公共サービスの評価をすることも重要
四.推進事例
PDCAサイクルの推進により、糖尿病医療費の伸びを抑えた島根県安来市

2)技術職が各部門に分散配置されているなかで組織横断的対応が可能となる体制整備
一.組織横断的なチームを編成することが望ましい
・地域全体の健康課題を把握し、地域の健康水準を向上させるためには、関係部署が協働することが必要。そのために市町村関係部署で構成する組織横断的チームを編成することが望ましい
・特に「特定健診・保健指導」では保健衛生部門国保部門が協働して実施していくこと
二.分散配置の場合は、組織横断的取り組みができるよう、保健衛生部門に技術的な指導調整をする総括的な役割をおく者をおき、役割を共有すること
・組織を超えて総括するものをおく自治体は、事例検討会や勉強会、共同での事業を実施する割合が高い。これにより同職種の人材育成や地域の健康ニーズや課題を共有でき、地域の実情にあった保健活動の企画立案に寄与する
・特に、技術職が総括者として業務分掌されている場合には、職種の配置に関するプロセスにも参加でき、適正な技術職配置ができる
三.保健衛生部門では業務分担・地区分担併用制が望ましい
保健師の専門性は家庭訪問等、地域住民の場に入った活動を通して、地域の健康課題を把握し、施策や住民の自主的な活動につなげることが中核的な業務
保健師配置に関しては、地区分担制が取れることが基本
・ひとつの課に「成人担当係」と「母子担当係」がある場合には、それぞれが業務を分担するとともに、地区分担では両方の係りに所属する保健師が担当地区をもち、担当する地区の住民に対して、家庭訪問や健康相談、健康教育を実施する
・これにより、担当地区以外も、業務担当として関わることで、地域の課題を共有できる
・地区分担の地区は、地域住民への支援の点からも「生活圏」に着目したものが望ましい
四.保健師配置のあり方
組織横断的取り組みができるよう、保健衛生部門に総括的役割を持った保健師をおく
・保健衛生部門は、地域のニーズや課題が把握できるよう地区分担制が望ましい
新人保健師は、指導できる保健師を配置した上で、対人保健サービスが学べる保健衛生部門に配置することが望ましい
五.管理栄養士の配置の考え方
・すべての市町村に常勤の管理栄養士を配置することが望ましい
特定健診保健指導や食育、介護予防では栄養の面からのアプローチも重要である
・組織横断的取り組みができるよう、管理栄養士への技術指導ができる者を保健衛生部門に配置することが望ましい
六.推進事例


3)技術職が分散配置されたなかでの、人材育成体制の整備


4)市町村保健活動を強化するための住民組織やNPOとの協働・連携のあり方


5)都道府県との協働のあり方


は長くなったので、次回以降に


◇参考情報
PDCAとは 物流用語