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「たらい回し」表記の新聞社一覧 産経新聞は論外


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毎日新聞、また「たらい回し」表記。しかもこっそり修正 - 保健師のまとめブログ2でも書きましたが、意図的に(もしくは、単に無知なのか)「たらい回し」表記の、新聞が多いですね。・・・というわけで、「たらい回し」表記している社説一覧です。


とりあえず、一番酷い記事を。


【主張】妊婦たらい回し また義務忘れた医師たち 産経新聞

妊婦のたらい回しは、奈良県だけに限った問題ではない。厚労省は産科医などの医師不足対策に本腰を入れて取り組むべきである。
それにしても、痛みをこらえる患者をたらい回しにする行為は許されない。理由は「手術中」「ベッドがない」といろいろあるだろうが、患者を救うのが医師や病院の義務である。それを忘れてはならない。

「たらい回し」表記する新聞は数あれど、この社説は最低です。


>理由は「手術中」「ベッドがない」といろいろあるだろうが


夜中の緊急オペ中に、受け入れてどうしろと言うの?アホなんじゃないかこの新聞社。
産経新聞論説委員の医療知識や医師像って、関連があるフジテレビのドラマに出てくる

司馬 江太郎 天真楼病院
島健 志木那島診療所
朝田龍太郎 明真大学
ゴッドハンド輝 安田記念病院
KAZUYA? 帝都大

が、すべてのような気がしてきたよ・・・怒りを通り越して、「哀れ」


>また義務忘れた医師たち
>患者を救うのが医師や病院の義務である。それを忘れてはならない。


とりあえず、奈良医大産婦人科今般の妊婦救急搬送事案についてを見ればわかると思いますが


平成19年8月28日の当直日誌記録より (産婦人科当直者 2名)

8月28日(火)
19:06 妊娠36週 前回帝王切開の患者が出血のため来院、診察後に帰宅
19:45 妊娠32週 妊娠高血圧のため救急患者が搬送され入院、重症管理中
09:00~23:00 婦人科の癌の手術が終了したのが23:00、医師一人が術後の経過観察
23:30 妊娠高血圧患者が胎盤早期剥離となり緊急帝王切開にて手術室に入室
23:36~00:08 緊急帝王切開手術
8月29日(水)
00:32 手術から帰室、医師一人が術後の処置・経過観察をする。重症のためその対応に朝まで追われる。妊婦の対応にもその都度応援する。当直外の1名の医師も重症患者の処置にあたり2:30ごろ帰宅
02:54 妊娠39週 陣痛のため妊婦A入院、処置
02:55 救急隊から1回目の電話が入る(医大事務当直より連絡があり当直医一人が事務に返事) 「お産の診察中で後にしてほしい」、そのあと4時頃まで連絡なし
03:32 妊娠40週 破水のため妊婦B入院、処置 (これで産科病棟満床となる)
04:00 開業医から分娩後の大量出血の連絡があり、搬送依頼あるが部屋がないため他の病棟に交渉
04:00頃 この直後に救急隊から2回目の電話が入る 「今、当直医が急患を送る先生と話しをしているので後で電話してほしい」旨、医大事務が説明したところ電話が切れた
05:30 (病棟へ)分娩後の大量出血患者を病棟に収容 (産科満床のため他の病棟で入院・処置)
05:55 妊婦Aの出産に立ち会う。その後も分娩後出血した患者の対応に追われる
08:30 当直者1名は外来など通常業務につく、もう1名は代務先の病院で24時間勤務につく

厚生労働省が「当直は眠れるから、きつくない」と言い張っているため、「日勤→当直→日勤で36時間連続勤務」という労働基準法を無視した労働を強いられているのですが、現場の医師も過労死レベルな勤務の中で「住民の健康と命を守るため」と、自分も家族も犠牲にする覚悟で働いています。


そして、この流れをみても、「緊急帝王切開」に「大量出血の入院」に「癌のオペ後の経過観察」にと、患者を救うために昼間の救急センターみたいな対応を「厚労省が眠れている」といっている夜間当直中に、しているのに


>また義務忘れた医師たち
>患者を救うのが医師や病院の義務である。それを忘れてはならない。


と、馬鹿な記者や論説委員が、「新聞倫理綱領」「産経新聞社 記者指針」という産経新聞社員としての義務(だよな?)を無視して、バッシング報道ばっかりやっているから


「自分も家族も犠牲にしてきたのに、またバッシング報道・・・もうだめ・・・」ということで、どんどん「逃散」(立ち去り型サボタージュ)していき、医療崩壊しているのが、今の現状なんです。


医療崩壊も、医師不足も、とどめはマスコミが刺したんですよ。まあ、自分たちで自分たちの批判なんてマスコミは絶対にしませんから「マッチング」だの「新研修体制」だの、挙げ句の果てには「医者のせい」にしてますけどね。


と、すっかり忘れていたんですが、「たらい回し」表記の新聞社一覧

読売新聞 妊婦たらい回し 一刻も早い産科救急の整備を
北海道新聞 妊婦救急搬送 悲劇を繰り返さぬため
山陽新聞 妊婦たらい回し 安心の出産環境総合的に

上だけでも分かりますが、医療報道に関しては、右左(ウヨサヨ)関係なく「医療バッシング記事」が多いです。体制整備は医療行政(厚生労働省と自治体)の責任だと思うのですが、「現場の医師をバッシング」もしくは「現場の医師も一緒にバッシング」しているのは、何か意図があるのでしょうか?


一応、文系とトップのちょい下?(一番上は昔なら官僚・法曹、今なら外資に行くだろうし)が集まるであろう、放送と新聞の記者なんだから、ちゃんと調べれば理解できる(と一応)思うのですが


みんなで「医療バッシング」・・・医療はバッシングした方がマスコミには好都合な「何か」があるんでしょうかね〜
民間保険参入で広告料ウハウハとか、社会保障費カットしたい経団連の意向とかさ



産経新聞の医療バッシング&ミスリードの軌跡
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◇参考リンク
産経新聞の社説はあまりにも酷い! 癌治療医のつれづれ日記
産経新聞に抗議文を出しました 「妊婦たらい回し また義務忘れた医師たち」: 追記あり 勤務医 開業つれづれ日記