親父ギャグにひいてはいますが、気になるのが後半にある、医師不足についての説明。
◇市民病院が『診療所』に 医師不足“手当て”できず 東京新聞
新しい研修制度 追い打ち
医師不足の状態が解消できず、千葉県の市原市国保市民病院が「病院」から「診療所」に転じることになった問題について、医療ジャーナリストの油井香代子さんは「医師の新しい研修制度の問題が典型的に表れた例。医師が大都市に一極集中し、地方が手薄になっている」と問題の根幹を指摘する。
という件で
マスコミがいう地域医療崩壊の経緯
2004年に新研修医制度がはじまった
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研修医は、出身大学病院ではなく教育内容が充実している病院を選び始めた
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地方の大学病院は研修医激減でスタッフが足りなくなった
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そのため、大学病院の医局は、地方の(大学病院以外の)病院に派遣していた医師を
引き上げはじめた
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医局の派遣に頼っていた病院は、医師が招聘できなくなってしまった
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医師不足により、病院閉鎖や診療科目の閉鎖が顕著になってきた
との説を展開していますが「地域の住民の健康と命を守るため」を使命感ややりがいとし、医師は今までもスタッフ不足のなかやってきており、「スタッフ不足により、診療科閉鎖」と、単純な構図ではありません。
この医療崩壊の流れにとどめを刺したのは、マスコミです。(経団連の意を受けた内閣の意を受けた財務省の意を受けた厚労省も医療費2200億円カットで改悪ばっかりしてますが)
スタッフの慢性不足でも、がんばってこれたのは「自分が住民のいのちを守るんだ」という使命感ややりがいがあったから。それをマスコミがバッシング報道を行ったので
実際の地域医療崩壊の経緯
マスコミによる医療バッシング報道
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過剰な権利意識まみれのモンスターペイシェントの誕生
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診療行為関連死があれば、病死だろうが不可抗力だろうがシステムの欠陥であろうが、医師を訴える患者家族。
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診療行為関連死があれば、病死だろうが不可抗力だろうがシステムの欠陥であろうが、医師をバッシングするマスコミ
となれば、続きは
「自分を犠牲にして、家族を犠牲にして働いても、バッシングされる・・・」
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辞める
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新研修医制度の影響で、大学医局から派遣することも困難
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医療崩壊
となっているわけです。まあさんざん書いていますが、マスコミは反省なんぞしませんので「新研修医制度の影響」だの「不足ではなく偏在」だの、挙げ句の果てには「医師としての義務を忘れた医師(産経新聞)」と他人のせいにしています。
医療崩壊を決定づけたのは、政府とマスコミ。 これが結論です。
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