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こども病院の診療報酬上げは医師不足解消にならない?


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小児の専門病院に6:1看護? CBニュース(2007.10.4)

「小児医療の質全体を上げるためにはトップレベルのところをしっかりしてもらう」――。2008年度の診療報酬改定に向けて10月3日に開かれた中医協・診療報酬基本問題小委員会(会長=土田武史・早稲田大商学部教授)では、厚生労働省保険局の原徳壽医療課長が小児医療の診療報酬見直しについて説明。診療報酬の施設基準以上の医師を配置し、特に手厚い体制が取られているような小児医療の専門病院について診療報酬を引き上げることを提案したが、委員からは異論が噴出。「専門病院を手厚くしても医師にはストレートに伝わらない」「センター的な専門病院の6対1看護を評価してほしい」といった意見が出された。【CBニュース】
中医協の診療報酬小委員会で「小児科の診療報酬引き上げ」について検討されたそうです。

まとめちゃうと

○原厚生労働省医療課長
「10年で小児科の勤務医数は8.8%も増えた」
と、「国のせいで小児科医が減っていると言われているが、増えてるよ」と強調した上で

「小児専門病院(公立こども病院など)は基準は小児科医5名だけど20名配置している病院もあるので、小児専門病院について診療報酬上、評価したい」
と、(集約してできた)小児センターの診療報酬引き上げについて触れる。

*「診療報酬上評価したい」とは「診療報酬を引き上げたい」の意味です。

○竹嶋日本医師会副会長
「小児専門病院だと(公立の)こども病院ぐらいだ。(診療所を含めた)初期医療(プライマリケア)も評価して欲しい」
と、開業医師のための医師会らしく専門病院だけではなく、開業医の診療所も評価して欲しいと注文。

○原医療課長
プライマリケアも重要だ。だから今までいろいろ評価してきた。今回はトップレベルをしっかり評価したい」
と、右から左へ受け流しています。

対馬健康保険組合連合会専務理事
「保険者としては、言いにくいが、小児医療はいろいろあるので場合によっては専門病院に限定せず入院管理料は上げる必要があるかも」
と、「診療報酬アップ=支払い側である保険者の負担もアップ」であるにもかかわらず、診療報酬の引き上げを提言。小児医療が崩壊寸前と理解しているっぽいです。

○松浦坂出市
「診療報酬を上げるだけでは、病院に回るだけで、現場の医師の待遇改善につながるのか」
○丸山日本経団連社会保障委員会医療改革部会部会長代理(長いよ肩書き)
「小児や産科や救急のような多忙な科は、現場の医師の苦労に報いる報酬や手当が必要」
と、なぜか経団連もごもっともな意見を言っています。
多分、「診療報酬アップだけでは費用効果が怪しい」「勤務医から開業への流れが続けば医療費が上がってしまい、社会保障コストアップ=企業の負担アップ」という視点からっぽいですけどね〜

○土田小委員会長(早大商学部教授)
「小児科医だけ特別扱いも難しいしので、勤務医全体の負担軽減策をが必要だ」
と、勤務医の負担軽減が重要な議題となってきそうです。


ここから、ちょっと迷走。というか、流れに乗らない医師会副会長。

○竹嶋日本医師会副会長
「(集約化して)専門病院をつくったら地域の病院から小児科医がいなくなってしまう。地域で対応できる仕組みを考えていけば専門病院がなくても対応できる」
「小児科では看護師も複数必要」
と、あくまでも専門病院には反対したいが、具体的な案がないので「対応できる仕組みについて考えよう」と、誘っているものの、スルーされてます。
夜間小児救急輪番もいやがって参加しなで勤務医に丸投げしてきた開業医の「考えよう」には
他の委員は、いまさら感があるのでしょか・・

そして、最後は、いろんな審議会・委員会・検討会で
会議の流れには触れず、前もって「今日はこれを言おう」と事前に決めていたであろうセリフを発する
我らが看護協会の登場です。日の出

○古橋日本看護協会副会長
「専門病院では看護体制が6:1、5:1というところもある、そこも評価してくれないと、赤字部門ということで縮小されるかもしれない」
と、いつもと違って「まあ、それは言うべきだな」の発言をしています。晴れ
相変わらず、流れには乗ってませんが・・・北極海砕氷船っぽくてかっこいいです。

○土田小委員長
「それは一つの提案として受け止めたい」

でも、つれない返事でした・・・



◇参考リンク
第99回中医協診療報酬基本問題小委員会資料 WAM-NET