毎日新聞と産経新聞・・・「左よりと右より」、「水と油」(それは産経vsアサヒか)と一見すると、主義主張が真っ向からぶつかり合っている一生相容れそうにない2紙ですが、医療報道に関してはどっちも「ダメだこりゃ」ということで一致しています。
今回は、産経の変な記事です。
WHO(世界保健機関)は、2000年に世界の医療を比較して、1位から190位台まで順位を付けた。日本の医療は、そこで総合1位の評価を得た。
評価の指針は、国民が平等に高い健康水準を得ているか▽全国どこでも一定レベルの医療が受けられるか▽医療費の負担が公平か、など。
日本は世界一の健康寿命を達成し、国民がどこでも、自分のかかりたい医療機関を選んで、自由にかかることができ、受診までに何カ月も待たされることもない。費用負担も公平と評価されたわけである。
と、途中まではいいんだけど、いちゃもんをつけないと気が済まないのか、話は変な方向へ
日本の一人当たり医療費は、対GDP比で見ると、先進国の中では少ない。負担が高くなることに総意が得られれば、もちろん上げればいい。しかし、まだ効率的に使える面もあることを指摘していきたい。
医療従事者はみんな「もう限界、改善するには社会保障費増による改善しかない」と思っているので、ぜひとも現在の医療制度の効率的な使い方について指摘していただきたい。
ということで、記事の続きを読んでみると
WHOの評価の中でも、「医療制度の効率性」、つまり、その国の医療制度で最大限の効果が発揮されているかどうかという点では、日本は10位だった。
1位はフランス。フランスは「制度を最大限活用している」と評価されたわけだ。
医療制度の効率性で10位にランクされた日本は「制度をまだ十分活用していない」とされたことになる。しかし、逆にいえば、もっと良くできる可能性があると指摘されたともいえる。(ここで終わり)
えっと・・・それで終わり?・・・どこを読んだら「指摘している」文章があるんだ?
「WHOが医療制度の効率性では日本は10位とした」ってそのまま右から左へ受け流しているだけのような・・・「指摘していきたい」と書いているので、「効率が悪い原因はこれだ!」「ここをこうするともっとよくなる!」と建設的なご意見が伺えるのだろうと期待していたのに、なんじゃそりゃ〜ですよ。
まあ、そこまでなら産経らしい記事なのでどうでもいいんですが、記者のプロフィールを見てひきました。
【プロフィル】磯部文雄
いそべ・ふみお 立教大学講師(社会保障担当)、こども未来財団常務理事。昭和49年旧厚生省入省、国際課長、内閣府審議官、社会保険庁運営部長、老健局長を経て平成18年、退職。
ん?
元社保庁の運営部長ってことは、「保険料流用しまくり」「巨大箱物ウェルサンピアつくりまくり」の張本人だよな?
しかも元老健局長ってことは、「厚労省の中心あたりで効率的運用を叫ぶ」ことができた立場のお方じゃないですか
自分はさんざん、社保庁で非効率的な資金運用をし、老健局長でも現場と乖離した介護保険行政をやってきておきながら、「もっと効率的にできるだろ」って、なんて無責任なお方なんだ
国I種は、さすがだな。自分のことを棚に上げるプロだぜ。
もう、気になったからいろいろ調べよう。
◇こども未来財団役員給与規定(PDF)によると
第4条より、給与は月額725,000円。
第5条より、特別都市手当*1が月額43,500円
第9条より、特別手当が年2回支給、6月約553,000円 12月約605,000円
ということで、年収は1038万円
第3条より、退職手当=給与×在職月数×0.28なので3年在職したとしたら、約775万円也。
これこそ、効率化できる面があると指摘していきたいものですね〜