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厚労省研究班、子供用メタボ診断基準公表。「いじめ助長」の声も


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メタボリックシンドローム:子供にも基準 「いじめ助長」疑問の声も−−厚労省研究班 毎日新聞

厚生労働省の研究班(主任研究者、大関武彦・浜松医科大教授)が、小児(6-15歳)のメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の診断基準をまとめた。今後、日本肥満学会や日本小児科学会などとすり合わせ、関係学会合同基準とする方針。基準を守ることの重要性を広く呼びかける予定だが、専門家の中からは「子どもに基準が必要なのか」と疑問視する声も出ている。

大櫛陽一・東海大教授(医療統計学)は「成長過程にある子どもを診断するのに、固定した値を設定すること自体、医学的に問題がある。安易に基準が広まれば、子どもの差別、いじめを招きかねない」と批判する。


◇子ども(6-15歳)のメタボリックシンドロームの診断基準

項目 内容
腹囲 中学生80cm以上、小学生75cm以上、もしくは腹囲(cm)÷身長(cm)=0.5以上
脂質 中性脂肪 120mg/dl以上、もしくはHDL-C 40mg/dl未満
血圧 収縮期 125mmHg以上、もしくは拡張期 70mmHg以上
空腹時血糖 100mg/dl以上
「腹囲(必須項目)」+「脂質・血圧・血糖から2つ以上が該当」だと、メタボリックシンドロームと診断。

ちなみに、成人の診断基準は

◇成人のメタボリックシンドロームの診断基準

項目 内容
腹囲 男性85cm以上、女性90cm
脂質 中性脂肪 150mg/dl以上、もしくはHDL-C 40mg/dl未満
血圧 収縮期 130mmHg以上、もしくは拡張期 85mmHg以上
空腹時血糖 110mg/dl以上
「腹囲(必須項目)」+「脂質・血圧・血糖から2つ以上が該当」だと、メタボリックシンドロームと診断されます。

成人との項目の違いで目立つのが、子ども用に「腹囲(cm)÷身長(cm)=0.5以上」が入っていること。子どもの成長のスピードには差があるので、それを考慮しようってことで腹囲/身長比が入ってます。

なので、腹囲が70cmでも、身長が140cmに対しての70cmであれば、必須項目の腹囲に該当と取ることができます。(成人男性の場合は、150cmの84cmはセーフで、185cmの85cmはアウトになってしまう)


なお、腹囲が80cmになったのは、「循環器疾患等生活習慣病対策総合研究 小児期メタボリック症候群の概念・病態・診断基準の確立及び効果的介入に関するコホート研究班」という、やたら長い名前の研究班が、「肥満」かつ「軽症の脂質以上or血圧上昇or耐糖能障害」の子どもたちを集めて腹囲のデータを取ってみたところ

  平均82cmだった
   ↓
  別の研究でも、標準体重の子どもたちを集めて測定したら、腹囲の標準上限が82cmだった
   ↓
  いろいろ端数とか処理して80cm

という風になったそうです。

メタボリックシンドロームに大きな影響を与える「食生活」は、子どもの頃からの取り組みが必要だと言われていますが、確かに、「メタボ」という言葉が一人歩きしている今、(流行語大賞にエントリーされたことから、経済界が一山ねらっている感もありますね)、「おまえのかーちゃーん、メータボ!」といったいじめ?に直結する可能性もなくはないです。(子どもって見た目第一だし)