◇下部に追記あり(2008.5.30)
◇精神障害者雇用に奨励金 厚労省、08年度から 東京新聞(2008.1.8)
精神障害者の就労を後押ししようと、厚生労働省は8日までに、雇用した企業に毎月1人当たり2万5000円を支給する「精神障害者ステップアップ雇用奨励金」を2008年度から新たに設けることを決めた。
仕事に慣れるまで時間がかかることの多い精神障害者に配慮し、週10時間以上20時間未満の短時間雇用を対象にしているのが特徴。短時間の雇用からスタートし、段階的に就業時間を増やして正規雇用につなげようという狙いだ。
奨励金の支給期間は最長1年間。08年度は年間で約560人の雇用を想定、当初予算案に7000万円を計上した。5年後までに正規雇用への移行率を60%にするのが目標だ。
厚労省によると、国内の精神障害者は推計で約303万人。障害者、企業双方の意欲の高まりで、ハローワークを通じた求職や就職件数はここ数年急増しており、06年度は年間で約6700人が就職した。
障害者試行雇用(トライアル雇用)事業、特定求職者雇用開発助成金、障害者雇用納付金制度、に基づく各種助成制度、職場適応援助者(ジョブコーチ)支援事業、精神障害者社会適応訓練事業(職親制度)と様々な助成制度がある障害者雇用支援策ですが、「短時間雇用」を希望する方にとっては「帯に短したすきに長し」感がある制度群でした。
そこで、週20時間以下の短時間雇用に対する支援を目的とした「精神障害者ステップアップ雇用奨励金」が設けられたようです。
さて、一見したところ「精神障害者の場合、定着に時間がかかるから、トライアル雇用の3ヶ月よりも長い1年間を助成金支給の支援期間にするってすごいね」と思っていたのですが、いろいろ検索して調べてみると、デメリットもありそうです。
チェリーさんのブログによると
◇精神障害者ステップアップ雇用奨励金 世の中とずれているかも知れない考え。
- 試用期間に対する助成金のため、事業者は1年間をフルに試用期間とするかもしれない。(試用期間のため、解雇が正規雇用よりも容易)
- 障害者雇用促進法で法定雇用率の算入方法が変更になれば
- 法定雇用率算入の対象となるのは週20時間以上
- 精神障害者ステップアップ雇用奨励金の対象は週21時間以下
ということから、20時間きっかり働ける障害者が企業にとってはお得になる
- 法定雇用率対象外の小規模事業所では 20時間働く障害者を雇っても月額2万5000円、10時間働く障害者でも月額2万5000円なので、10時間働く障害者を2名雇う方がお得。しかも10時間なら社会保険も雇用保険もいらない
精神障害者雇用の機会や職歴を与えるという点では評価できるが悪用されると、社会保険も雇用保険もない労働が精神障害者の雇用になってしまうかも。
といった懸念もあるそうです。難しいですね。
◇追記あり(2008.5.30)
○精神障害者ステップアップ雇用奨励金の詳細(2008.5.30)
◇参考リンク
○障害者雇用対策 厚生労働省
○事業主・しごとをお探しの皆様へ 山口労働局