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アメリカで麻疹(はしか)が流行。感染源は日本人少年とCDC


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日本人がはしか感染源 6人発症と米保健当局 47news(2008.2.22)

【ワシントン21日共同】米疾病対策センター(CDC)は21日、昨年夏にスポーツの国際大会で訪米した日本人の少年が感染源となり、米国内で日本人1人を含む計6人がはしかを発症したと週報(電子版)に発表した。

国際大会では感染の危険が高まるとして、主催者が海外参加者に対し、はしかの予防注射の証明書を提示させることを検討すべきだとしている。はしかの予防注射が徹底している米国では、近年ほとんど発生が確認されておらず、米国の保健関係者は「日本ははしかを輸出している」とたびたび非難している

CDCによると、昨年8月に米東部で開かれた大会に、日本から12歳の少年が参加。少年のきょうだいは日本ではしかに似た症状を発症していたが、少年は米国滞在中にはしかを発症し、州政府への通報後、隔離された。

「昨年夏にスポーツの国際大会CDC」というのは、ペンシルベニア州で行われた「リトルリーグのワールドカップ」とのことですが、野球の国アメリカのリトルリーグ・ワールドカップという注目されている大会の参加選手が「はしかを持ち込んだ」ということで、もう一方の当事国の日本以上にアメリカでは話題になっています。

Little League measles came from Japan The Philadelphia Inquirer
Japan boy baseball player caused U.S. measles cases Reuters AlertNet

共同通信の記事には感染者の詳しい情報があります。リンク先が探しきれなかったので
該当部分のみ引用しています。

◇日本人がはしか感染源 6人発症と米保健当局 共同通信

(略)
少年の知り合いで、試合を観戦しに訪米した別の日本人少年も滞在中に発症。国内便の機内で最初の少年の前の席にいた女性と、少年と接触した空港係員、営業マンも発症した。さらに営業マンが訪れた大学の2人の学生が発症した。

営業マンは入院したが、ほかは比較的軽症。いずれの患者からも日本で広がっている遺伝子型の麻疹(ましん)ウイルスが検出され、少年が感染源の可能性が高いとした。

米国内便の機内と空港内、および空港で感染した営業マン経由で大学生も発症したようです。
(米国のニュースサイト情報では、大学生2名はワクチン接種歴があるとのこと)

CDCでは「日本は麻しん輸出大国、しっかり対策しろ」と言われているのですが

国内では
 ・予防接種反対論者
 ・副作用だけを取り上げた報道。
また、それらの影響を受けた保護者による
 ・ワクチンに頼らない自然な子育て情報サイト
 ・予防接種の強制は人権侵害。受けない権利もあるぞ活動

のおかげで「なんで他の子どもを守る目的で自分の子どもを接種させなきゃいけないの?」みたいに主張する保護者も少なくなく、麻しんワクチン摂取率は先進国中最低水準の81%となっています。

流行を予防できると言われている95%にはまだ届いていない状況ですね。

「麻しん輸出大国」と言われないためにも、接種率95%を目指していきたいものです。

◇参考リンク
疾患別情報「麻疹」 国立感染症研究所
麻しん Q&A 東京都感染症情報センター
麻しん(はしか)に関するQ&A 厚生労働省