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副院長に「看護職」が増加中


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増える看護師副院長 FujiSankei Business i.(2008.3.24)

医師が独占してきた病院の副院長ポストに、看護師を起用するケースが増えている。患者本位、チーム医療の充実が求められる中、患者に身近に接し、スタッフの動きにも精通した看護師の視点を生かし病院改革を進める目的。“出世”に道を開くことで、不足する看護師の確保も図る。

■診療科超え病床活用

東北労災病院(仙台市)は2004年に佃祥子看護部長が副院長を兼務して以来、満床になっている内科の患者に空きベッドがある外科に入院してもらうなど、診療科を超えた病床の活用に取り組んでいる。

「患者が頼るのは診療科ではなく、病院。24時間患者に接する看護師が経営に参画すれば、患者のニーズを反映した運営ができる」という佃副院長の発案で、泊まりがけで人間ドックに入り時間を持て余しがちな人向けに、エステを受けられるオプションサービスも設け、女性を中心に好評を得ているという。

全国病院事業管理者等協議会(武弘道会長)が実施した昨春の調査では、全国に約8000ある病院のうち看護師を副院長に起用したのは百数十と、全体に占める割合は少ないが、04年の3倍以上に急増。最近は200前後に達しつつある。北海道が今年4月から道立7病院の副院長ポストをそれぞれ一つ増やし、総看護師長に兼務させるなど、経営改革を迫られている公立病院や大学病院での導入が目立つという。

■人材定着で経営改善

背景には、入院患者数に対し看護師をより手厚く配置すれば、病院の収入が増えるようになった06年度の診療報酬改定がある。看護師副院長連絡協議会会長で聖マリアンナ医科大学病院(川崎市)の陣田泰子副院長は「改定で看護師に対する評価が高まり、良い医療には良い看護が必要という意識が浸透した」と分析する。

と同時に、改定は都市部の大病院を中心にした看護師獲得競争の原因となり、地方の医療機関は看護師不足に悩まされるようになった。このため看護師の副院長起用には「新卒看護師へのアピールや離職防止」(道立病院管理局)という効果も期待されている。

昨年4月に看護師の副院長が誕生した武蔵野赤十字病院(東京都)の富田博樹院長は「看護師は病院で最も数が多く、指揮系統が整った集団。医療の安全や経営に関する問題は看護部なしには動かないということに医師も気付き始めている」と話している。

「患者のニーズを反映した運営」の例に、「エステを受けられるオプションサービスも設け、女性を中心に好評を得ている」をあげるのは、微妙な感じもしますが「患者に一番身近で、いろいろなスタッフの動きを知っているので病院改革には適切」ということと「出世の道を示すことで新人の離職防止につながる」の2つの目的で、看護師を副院長につける病院が増えているそうです。


ただ「出世の道を示すことで新人の離職防止につながる」とありますが、これは、ないない雪


新人が離職をする理由は

 1.リアリティショック
 2.責任の大きさと激務による不安

の2点が大きいと言われています。


看護教育、特に大学教育では「理論」やら「患者の気持ちとニーズに応じた看護」を中心に学び、実習でもそこが中心なので、1人の患者さんにつきっきりになり、「気持ち」だのをメインに考えていきますが、臨床に入ると、すぐに「1部屋担当」=複数の患者さんを担当。


1人でならこっちのペースでできますが、1部屋4人の対応となると、まず予定通りに進めることができませんし、一人当たりの時間は1/4にしないといけませんしね。この時点でショックを受けます曇り


そのうち、2部屋・3部屋・夜勤で病棟の部屋半分と慣れたと思ったら増えていきますし。さらに、手技についても、学校ではできないことをバンバンこなさないといけません。


大学で注射器を人間相手に扱うのは「採血の演習で1度」(うちの大学はですが・・)、ところが、臨床ではライン取りだの血培だの危険で難しいことも求められます。


体位変換ですら、「ラインがあって、褥瘡もあって」となった時点で、新卒はパニックです。


ここでも、ショックを受けます雨


こうして「学んだことが役に立たない」と不安になっているなかで

・人手不足を認識
・昼飯抜きも当たり前、先輩も昼抜きなので、「ずっとこんななのか・・・」
・ヒヤット事例も出し

責任の大きさと激務による不安を感じ、離職というパターンが多い新人に対し


「頑張れば副院長になれるよ」と提示しても、何の解決策にもなりません。


ということで、最近では「看護師の卒後臨床研修を制度化」という考えがでてきているようです。


◇参考リンク
看護師の基礎教育4年制化や新人看護師臨床研修制度の推進を 日看協要望書 CBニュース(2007.10.26)
新人看護師に臨床研修…厚労省検討 読売新聞(2007.8.25)