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大和総研の興味深いコラム「メタボ健診導入の本当の目的とは」


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メタボリックシンドロームの概念を取り入れ、今年度から始まった「特定健診・特定保健指導」


現場としては「生活習慣病にかかる医療費を抑えるために、メタボリックシンドロームの概念を導入し、メタボリックシンドロームに特化した特定健診・特定保健指導を行うことで、早期介入を行い、生活習慣を適正化し、生活習慣病の発症を防ぐ」という流れで、取り組んでいるのですが


一方で、「メタボリックシンドローム対策により医療費削減になったというエビデンスがない」「そもそもメタボリックシンドロームの基準、特に腹囲に問題がある」との指摘もあります→メタボの診断基準と「そもそも論」 - 保健師のまとめブログ2参照。


にも関わらず、国が「持ち上がった問題点を再検討せず」メタボ対策に邁進しているのは「別の目論見もあるからではないか?」という、興味深く鋭い指摘が大和総研のコラムに掲載されていました。


メタボ健診導入の本当の目的とは 大和総研(2008.2.25)

このように数々の疑問点が指摘されているにもかかわらず、政府当局がほとんど中身を修正せず、政策を推し進めているのはなぜなのだろうか。筆者は、メタボ対策はあくまで口実であって、本当の目的は、増え続ける高齢者の医療費を如何に不満が出ない形で現役世代に負担させるか、であると推測している。


内容を斜め読みしてみると、下記のような感じですが

○現在は老健拠出金という形で高齢者医療費の5割を現役世代が負担している。
後期高齢者医療制度では「後期高齢者支援金」という形で4割を現役世代が負担。
○「後期高齢者支援金」は特定健診・特定保健指導の参酌標準(目標値)の達成に応じて±10%のインセンティブがある。
○一見自助努力によって負担が減るように見えるが(今後、後期高齢者にかかる医療費は増えていく試算なので)現役世代の負担も増えていく。
○そもそも、現役世代の「メタボ度」と、現役高齢者の「医療費」は直接リンクしているわけでないのに、リンクさせて「達成できないと支援金増」としている所がおかしい。


医療経済の専門家の視点で国の「メタボ対策」を見ると、ただ単に「国民の生活習慣病予防と医療費削減」だけではない、別の目論みが見え隠れしている(っぽい)ことが、呈しているようです。