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成年後見制度市町村長申立のまとめ2


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成年後見制度市町村長申立のまとめ1(2008.3.31)の続きです。


前回、後見制度を利用することで対象の方の福祉と権利を擁護することができると同時に、「判断能力がない」「判断能力が不十分」と公に決定されることにより選挙権を喪失したり、公務員や医師といった特定の職業に就くことができないというデメリットがあることを説明しました。


そのため、制度の適用には慎重さと厳格さが必要となり、手続きにも様々な段階があります。

1「市町村長による申立の手続き」の実際

各の自治体に「○○市成年後見等開始審判の市長申立てに関する要綱」「○○市成年後見制度における市長申立にかかる要綱」といった、条例が制定されています。


この要綱に沿って進めていくのですが、流れとしては

1 後見制度が必要・必要そうな住民の情報が関係機関や住民から入る
2 関係部署が調査を行う
3 検討委員会等を開催し
(1)本人の事理を弁識する能力
(2)本人の生活状況及び健康状況
(3)本人の親族の存否及び当該親族が成年後見等開始審判申立を行う意思の有無
(4)本人の福祉を図るために必要な事情
などを総合的に配慮した上で、審判申立の要否を決定します

検討委員会で検討する項目は「市長申立の要否」「どの類型(後見・保佐・補助)で申立するか*1」「審判申立に係る費用(鑑定費用含む)を市と本人どちらが負担するか」などです。


なお、市町村の検討委員会での類型の判断については、条例・要綱で「医師の診断書を必要とする」としているところが多く診断書を用いて行いますが、家裁への申立時には「鑑定書」も必要となってきますので診断書を依頼する際に、家裁発行の「鑑定人になってくれるかどうか文書」(正式名称忘れましたタラ〜)も、一緒に記入してもらうと二度手間が省けます。


診断書は通常の医療機関発行の診断書(数千円)で構いませんが、鑑定書は家裁発行の様式があり、鑑定料も数万〜十万円程度かかります。(鑑定料については、家裁が決定します)

4 (家庭裁判所への市長申立に必要な書類の作成
5 家庭裁判所への申立の実施

という流れになります。

2.注意

初めにも書きましたが、後見制度は「本人の福祉と権利を擁護するとともに、権利の一部を制限する」ことになる制度です。

そのため、市区村長による申立は、最終的な手段であり

まずは、4親等内に「申立」ができる人が居ないかを調べることが必須です。ただし、4親等内全員の意向を確認するのにはかなりの時間がかかることもあるため、状況によっては、2親等内の親族の意向の確認でも申請が可能です。


◇シリーズ一覧
成年後見制度市町村長申立のまとめ0(2008.3.3)
成年後見制度市町村長申立のまとめ1(2008.3.31)
成年後見制度市町村長申立のまとめ2(2008.6.3)
成年後見制度市町村長申立のまとめ3(家裁編)

*1:但し、家裁との打ち合わせ時に「○○の方がいいのでは?」とアドバイスされることもあります