「ロハスメディカル ブログ」に東京都保険医協会シンポジウムの記事があるのですが、メディアとの関わり合いについて、もやもやが晴れるような内容でしたので紹介しておきます。
◇シンポジウム ロハスメディカル ブログ(2008.5.26)
特に医療者と患者家族の間の感情対立は深刻に見える。
両者の懸け橋こそロハス・メディカルのミッションなので、個人的に微力ながらお役に立とうとは思う。ただし、その役割は本来、皆さん自身(ブログ主注:医療従事者自身)が主人公となって果たさなければならないのであって、メディアに当事者の役割を期待してはいけない。医療者のブログなど見ていると、メディアにそういう期待をしている声が結構多い。それは八百屋で魚を求めるようなもの。現在のマスメディアは、たしかに褒められた存在ではないが、彼らには彼らなりの論理・事情があって、あのような振る舞いになっている。単に医療業界の論理を押しつけても、その思惑通りには動いてくれない。
その後
2.メディアへの幻想・誤解 組織全体と記者個人
3.マスメディアと持ちつ持たれつ
4.最後に
と進んでいくのですが、斜め読みしてみると
メディアに、医療業界の論理だけを押しつけて変わることを期待しても無理。メディアは社会の公器ではないし、彼らには彼らの論理・事情がある。しかし、だからと言ってメディアを放置していくと、『医者が悪い』という分かりやすい構図、低いリスク、楽な取材、マッチポンプな報道をしていったりと、医療側と国民側の軋轢を増幅される一方にしかならない。メディアにはネタをあげないと行けないし、リスクも取ってあげないといけない。ところが、医療業界は閉鎖的であり、やる気がある記者が取材に行っても、お説教されるのでみんな嫌気がさしている。
という感じです。
なんとなく、今のメディアと医療の関係について、もやもやが晴れたというか、納得できた感じです。
医療業界の外から見ると「情報を与えずに、いきなり『わかってくれない』と言っている」という状態に見えているのかもしれません。
これで考えると「医療事故刑事免責」に関しても「今まで遺族に協力してこなかったくせに、自分たちが逮捕されはじめたら免責主張かよ」と思われて居るのかも知れません。
医師などの現場にいる個々人は、ブログ等で声を上げはじめていますが
医師会や看護協会などの職能団体も、メディアに対し、丁寧なマスコミ対応&情報提供を行って欲しいものです。
特に看護協会は、「地位向上」の主張が目立ちますが、行き過ぎると「ギルドの弊害」と思われるだけなので、注意して欲しいです。
◇参考リンク
○舛添厚労相、「ギルドが阻害要因」 CBニュース(2008.3.21)
○【正論】慶応大学教授・阿川尚之 「マスコミの常識」は非常識 MSN産経ニュース(2008.5.8)