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医師不足に悩む病院、診察対象者を「くじ引き」で選ぶ-カナダ Web-Tab(2008.7.10)

トロント 7月9日 IANS】カナダのある病院が今週、新任医師の診察が受けられる人を受診希望者の中から選ぶ「くじ引き」を行った―医師不足に悩む病院の「苦渋の策」だったようだ。

カナダのテレビ局CTVによると、くじ引きを実施したのはニューファンドランド島ガンダーにある病院。ホームドクターを求めている4000人のうち、同病院で対応可能な人数は半数の2000人。くじ引きに「はずれた」人々は、次回のくじ引きを待つことになるという。

新任医師2人が着任したこの病院。以前、別の新任医師が着任した際に混乱が生じていた。同病院のマネジャーによると、当日は早朝から病院外まで続く受診希望者の長い列ができてしまったという。

同じ事態を繰り返さないため、病院側は今回の「くじ引き」実施を決定、7日には「当選者」に通知したという。(c)IANS


日本の医療制度とは大きく異なるので、まずはカナダの医療制度についての説明。(というよりは、日本の医療制度の方が特殊ですが・・・)


○カナダの医療制度

項 目
摘 要
保険制度
日本やイギリスと同じく皆保険制度
医療費規模
GDP比で9.9%(ちなみに日本は5.3%)
医療費
イギリスと同じく無料。
ただし処置にかかった包帯などの材料は実費。薬は全額自己負担
アクセス
イギリスと同じくホームドクター制を導入。
専門医にかかるには、ホームドクター(一般内科医)からの紹介が必要。
ちなみに、待ち時間は
 がん専門医:5週間(専門医では一番最短)
 外科医:9週間(救急は別にあります)
 整形外科医:26週間
 眼科医:28週間

出典:「手紙168 医療制度のしくみ・5 カナダの場合ほぼ日刊イトイ新聞より
メ モ
外来は、政府によって年間受診患者数に上限がかけられている。
「○○病院は年間3000人」と決められた病院では、3000人までは医療費が全額国から支払われるが、3001人目以降は、半額しか支払われないため、その年が終わるまで臨時休業することもあるらしいです。

出典:「手紙168 医療制度のしくみ・5 カナダの場合ほぼ日刊イトイ新聞より


カナダの場合
1.まず、登録したホームドクターにかかる(登録していないホームドクターにはかかれない)
2.ホームドクターが必要を認め紹介状を発行したら、専門医を受診できる
3.専門医にかかるには最低でも5週間待ち


という仕組みで運営されています。「自己負担は安いが、アクセス制限あり」のパターンですね。記事では、ホームドクターの登録ができていない住民が4000人いるが、増員した医師2名では「2000人」までしか対応できないため「くじ引き」を行ったとのことです。

ちなみに、記事にある「ニューファンドランド島ガンダーにある病院」では、くじ引きで抽選していますがskyteam様のブログの記事「[紹介状or抽選か?]地域医療崩壊で新たに導入」によるとカナダの他の病院では「コンサートチケット購入方式」を取っている病院もあり

  • 月1回、決まった数の初診枠を解放
  • 初診枠は、電話で早い者順にゲットできる
  • 初診枠を取れなかった方は、翌月の解放日にまた電話をする。

と言った内容も実施されているようです。

日本では「3時間待ち3分診療」で批判されていますが、日本以外では、「病院で待てる権利」を手に入れる段階で大変なんですよね雪


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