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看護基礎教育の大学化は3論併記、厚労省懇談会


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看護基礎教育の大学化は3論併記 CBニュース(2008.7.7)

これまでの懇談会で大きな論点となっていたのが、看護基礎教育の4年制化、大学化。3章の中で、「看護基礎教育は充実されるべきであり、教員の資質の向上をはじめ、そうした教育を提供するのに相応しい体制や環境を確保していく必要があるという点に関し、意見の一致は見た」と前置きした上で、3種類の考え方を併記した。


一つ目の考え方は、看護基礎教育の期間を延長し、大学での教育に移行させていく必要がある、というもの。看護の高度化、社会一般の高学歴化、看護職員の確保などが理由として挙げられる。


二つ目は、将来的には大学教育を主体とした方向で看護基礎教育の充実を図るべきだが、養成校の数や看護職員確保の状況を踏まえた対応をする、という考え方。


三つ目として、大学での看護教育が増えていく趨勢(すうせい)は認識するが、大学での養成に一律に限定せず、現行の多様な養成課程を質・量両面から評価して改善していく、という考え方。現在、看護師を目指す人の3分の2が養成所や高校で学んでいるという現実を踏まえてのこと。

2007年から開催されている「看護基礎教育のあり方に関する懇談会」

1.目的
少子・高齢化等を踏まえた看護と看護職員に求められる資質、及びそうした資質の看護職員を養成していく上での看護基礎教育の充実の方向性についての論点整理


2.懇談会委員

座 長
氏 名
所 属
  井部 俊子 聖路加看護大学学長・看護協会副会長
  尾形 裕也 九州大学大学院医学研究院医療経営・管理学教授
  梶本 章 朝日新聞論説委員
田中 滋 慶應義塾大学大学院経営学理研究科教授
  寺田 盛紀 名古屋大学大学院教育発達科学研究科教授
  矢崎 義雄 独立行政法人国立病院機構理事長
という内容で、これまで9回の開催されています。


懇談会のテーマは「看護職員に求められる資質とそれをどのように養成していくか」だったのですが、看護協会が「看護教育は4年制大学化すべき」と強く求めていることもあり、随所に「修業年限」がでてくる懇談会になっていたようです。(下記記事参照)


看護教育4年制移行を議論する場? CBニュース(2008.5.13)


個人的に気になっていたので、看護基礎教育の修業年限に関する各委員の発言を第8回懇談会から拾ってみました。



○第8回看護基礎教育のあり方に関する懇談会より

発言者 発言内容
梶本委員
看護師確保の面からも4年制化を明記すべき。
尾形委員
これまでの議論を踏まれれば、4年制への延長、または大学化を軸にすべき。
寺田委員
全てを大学にシフトしてもいいのか。大学進学率は高くなっているが、6割で頭打ちになるという予測もある。必要に応じて大学教育を拡充しつつも、現在あるシステムを活用する考え方も必要
井部委員
早期離職者は大学卒1人に対し、養成所卒が12人の割合。4年制大学化しないと数が確保できなくなる。
矢崎委員
年数よりも内容の問題。将来求められる看護師像に近づけるカリキュラムを準備すべき。これからの医療を考えれば大学化は当然でてくる。ただ、養成所を志望する人や養成所を卒業した看護職への対策が必要になる。
出典:“五人五様”の看護教育4大化 CBニュース(2008.6.16)


こちらも参考にどうぞ


○第5回看護基礎教育のあり方に関する懇談会でのヒアリングより

発言者 発言内容
医師会常任理事 4大卒がいてもいいが、診療所に大卒看護師の高度な知識・技能を生かせる場はほとんどない。基礎教育は「最低限どこまでできればいいか」と言うものであり、高度な医療技術を身につけることではない。複数の選択肢が必要。
全日本病院協会 現行の3年制の問題点を追求・改善した上で、4年制への移行を検討すべきでは?
ただ、医療の高度化に対応するためには、4年制化を否定はしない。
出典:看護教育4年制移行を議論する場? CBニュース(2008.5.13)


懇談会委員の意見は「今後は4年制大学教育が中心になる」ということで一致しているようですが、中身は微妙に異なっています。


というわけで、第9回懇談会に提出された「論点整理案」では3論併記となったようです。


看護基礎教育のあり方に関する懇談会 論点整理(案)(PDF) 第9回 看護基礎教育のあり方に関する懇談会