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記者の質が部数の差。読売と毎日の大野病院事件記事


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毎日新聞続きですが、ブログで紹介したいような「気になる記事」ばかり書いているのでおつきあい下さいパンダ


明日は、福島県立大野病院産科医逮捕事件の判決が言い渡される日です。


これまでの経緯は下記の記事をご参照下さい。


 ○コメント欄で紹介されていた女性自身のおすすめ記事(2008.6.12)
 ○福島大野病院事件で禁固1年・罰金10万円の求刑(2008.3.25)
 ○我々は福島大野病院事件で逮捕された産婦人科医師の無罪を・・(2008.2.19)


さて、判決があると言うことで、新聞各紙とも大野病院事件についての記事を書いています。


が、毎日新聞の内容(質)が酷いです。


○「大野病院医療事故:産科医処置あす判決 過失致死の刑事責任問えるか/福島」 毎日新聞(2008.8.19)

◇双方主張真っ向対立
県立大野病院(大熊町)で04年に起きた帝王切開手術中の医療死亡事故の公判は20日午前10時から、福島地裁(鈴木信行裁判長)1号法廷で判決が言い渡される。業務上過失致死と医師法違反の罪に問われた同病院の産婦人科医、加藤克彦被告(40)=休職中=の処置に刑事責任は問えるのか。「医療崩壊」が叫ばれる中、全国の医療関係者を中心に注目が集まっている。【松本惇】

帝王切開死亡で20日判決、医師の責任どう判断 大野病院事件 日本経済新聞(2008.8.17)

福島県立大野病院(福島県大熊町)で2004年、帝王切開手術を受けた女性(当時29)が死亡した事件で、業務上過失致死罪などに問われた執刀医、加藤克彦被告(40)に対する判決が20日、福島地裁で言い渡される。大量出血の予見可能性などを巡り、被告側と検察側は激しく対立。深刻な医師不足の中、医療界は「さらなる萎縮を招く」と反発を強めており、司法が医療をいかに裁くか注目される。

執刀医の判断争点 読売新聞(2008.8.16)

大野病院帝王切開死20日判決
大熊町の県立大野病院で2004年、帝王切開手術で女性(当時29歳)を失血死させたなどとして、業務上過失致死と医師法(異状死体の届け出義務)違反罪に問われた産婦人科医、加藤克彦被告(40)の判決が20日、福島地裁で言い渡される。加藤被告の判断と処置は、医療水準からみて妥当だったのか、それとも注意義務違反に当たるのか。逮捕が、全国の産科医不足を加速させたとも言われる医療界注目の公判の主な争点を整理する。(藤原健作)

大野病院事件20日に判決 過失か、通常の医療行為か 医療界に影響必至 MSN産経(2008.8.16)

福島県大熊町の県立大野病院で平成16年、帝王切開手術を受けた女性=当時(29)=が死亡した事件で、業務上過失致死と医師法(異状死の届け出義務)違反の罪に問われた産婦人科医、加藤克彦被告(40)の判決公判が20日、福島地裁(鈴木信行裁判長)で開かれる。検察側は「過失は明白」などとして禁固1年、罰金10万円を求刑。一方、弁護側は「処置は適切だった」と無罪を訴えており、主張は真っ向から対立している。

日経・読売・産経は「医師の判断は過失かどうか」という内容ですが


毎日だけ「過失致死の刑事責任問えるか」


「問えるか」という見出しに、記者の「俺は刑事責任あると思うけど、裁判所は責任認めてくれるのかね」という意識が見え隠れします。じゃなきゃ「責任問えるか」なんて使わないでしょ雪


さらに、毎日と読売は、他紙と比較して比較的大きく扱っていますが、その内容が大違い。

読売 争点となっている部分について検察側・弁護側双方の主張を整理し、補足
毎日 「公判での主な証言や発言」として、前後関係なく、意図的に一部を切り貼り
なぜそのような発言をしたかの補足もなし


「コピペ」だけなら、素人にもできます。
記者なら、主旨を失わないようにまとめるなり、補足するなり、解説するなりして欲しいものです。


これでは、ただの「コピペ記事」ですよ。



◇追記
自称「全国紙に匹敵」の東京新聞。匹敵するのは部数だけで、記事の品質は毎日新聞以下のようです。


福島の妊婦死亡 きょう判決 医師の過失追及どこまで 東京新聞(2008.8.20)

福島県立大野病院で二〇〇四年、帝王切開手術を受けた女性=当時(29)=が死亡した事件で、業務上過失致死罪などに問われた産婦人科医加藤克彦被告(40)に対する判決が二十日、福島地裁で言い渡される。医療界は「不当逮捕。産科医不足に拍車をかけた」と、こぞって捜査側を批判する異例の展開に。これには「閉鎖的な医療界の体質こそが問題」などの指摘もあり、判決が注目される。 (社会部・大村歩)

「キムチは最近、寄生虫卵騒ぎで不評だが、なあに、かえって免疫力がつく。」(東京新聞 筆洗(2005.11.24))と独自の衛生観念があるだけあって、切り口が他とは違いますね。


筆洗というコラムならまだしも、社会部記者の特集記事で、バイアスかけまくるってのもどうなんだろ。