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2006年度の国民医療費は「高止まり」「減少」どっち?


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厚生労働省が8月28日に、2006年度の国民医療費を発表しました。


平成18年度国民医療費の概況 厚生労働省

1 国民医療費の状況

平成18年度の国民医療費は33兆1276億円(前年度33兆1289億円)、一人当たり国民医療費は25万9300円(前年度25万9300円)となっている。

国民医療費の国民所得に対する比率は8.88%(前年度 9.04%)となっている。


平成17年度の国民医療費は33兆1289億円でしたので、約13億円のマイナスです。
グラフでは1px分ぐらい下がっています。

この前年比13億円減に関する記事のタイトルに、報道各社の違いが見えておもしろいです。

メディア 記事のタイトル
読売新聞 国民医療費が4年ぶり減少、診療報酬のマイナス改定で
朝日新聞 国民医療費が微減 06年度、診療報酬マイナスが影響
毎日新聞 国民医療費:4年ぶり減、33兆円 診療報酬改定が影響−−06年度
日経新聞 国民医療費、なお高止まり 06年度
産経新聞 65歳以上は過去最高更新 18年度の国民医療費
NHK 国民医療費 過去最高水準続く

日本経済新聞社と産業経済新聞社(サンケイグループ)の二社は、「まだまだ高いんだよ」とアピールされています。やはり、名前に「経済」とつくだけあって、財界のための努力は忘れません。


ちなみに、NHKも「過去最高水準続く」と「高さ」をPR・・・
もっとも論説委員による大野病院事件の解説があんな内容なので、期待もしてないです。


さて、産経の記者は「高齢者の医療費が過去最高だ」と煽っていますが、年齢階級別国民医療費


 平成17年度の65歳以上の一人当たりの国民医療費は65万5700円
 平成18年度の65歳以上の一人当たりの国民医療費は64万3600円


と、実は下がっています。


増えたのは、ただ単に、老人人口が増えたから。


>年齢を重ねるにつれて医療費が増えていく実態が改めて裏付けられた


なんて記事には書かれていますが、裏付けも何も、それって「常識」では?


というより、年齢階級別でみるなら


 平成17年度の45〜64歳の一人当たりの国民医療費は25万900円
 平成18年度の45〜64歳の一人当たりの国民医療費は25万7100円


と全階級で唯一、伸びている中年層に注目したらよかったのに。


フジサンケイグループは、メタボリックシンドローム撲滅委員会なるものを立ち上げていますし

メタボリックシンドローム撲滅委員会とは

産経新聞社およびフジサンケイグループ各社は、厚生労働省の後援を得て、関連学会・諸団体、協賛企業各社とともに、2006年1月に松澤佑次(財)住友病院院長(日本肥満学会理事長)を委員長とする「メタボリックシンドローム撲滅委員会」を発足させ、メタボリックシンドロームの危険性を広く啓発し、国民の健康づくりを支援するメタボリックシンドローム撲滅運動を推進しています。


メタボリックシンドロームの特集記事では「漢方薬」「豆乳アイス」「無糖コーヒー」「IT系健康サービス」と商品の宣伝にも力を入れているので


「全年齢で唯一、医療費が増えた45-64歳はメタボリックシンドロームの有病率も高いと言われており、まさにメタボリックの対策が必要であると言える。だから対策商品を買いましょう」とPRする絶好の・・以下略