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柔道整復師学校で無資格教員による授業が。県内の学校でも


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柔整師学校で無資格教員横行 厚労省、6校に補講指導 朝日新聞(2008.9.5)

接骨院整骨院で治療にあたる柔道整復師の養成学校がこの10年間で7倍に急増、教員不足から無資格者による授業が横行している実態が、関係者の話で分かった。今年に入り6都府県の7校で無資格教員が判明しており、厚生労働省の出先機関が補講の実施など指導に乗り出した。

柔道整復師法に基づく養成学校の指定規則と指導要領は、教員の資格を担当分野ごとに定めている。医師や大学教員などが教えるべき科目を、柔整師や理学療法士、大学院生らが教えていた例が目立つ。
補講が最も多い琉球リハビリ学院では、3年生44人が330時限(1時限は45分)、2年生14人が150時限を命じられている。解剖学や運動学などの教員が無資格だった。儀間(ぎま)智理事長は「他校に引き抜かれたり辞めたりした教員がいて、理学療法士などの資格を持つ教員で対応したが、誤りだった」と話す。

県内の養成校も指導の対象となっています。


さて、その教員の資格については、柔道整復師学校養成施設指定規則によって定められています。同規則第2条6項に「教員は、別表第二の上欄に掲げる教育内容について、それぞれ同表の下欄に掲げる者であること」とあるのですが、下記のような感じです。


基礎分野 教授するのに適当と認められる者
専門基礎分野 次の各号のいずれかに該当する者であつて教育内容に関し相当の経験を有するもの又はこれと同等以上の知識及び経験を有する者。
一 医師
二 教育職員免許法施行規則(昭和二十九年文部省令第二十六号)第六十三条に規定する特別支援学校の理療の教科の普通免許状を有する者
三 柔道整復師の免許を取得してから三年以上実務に従事した後、厚生労働大臣の指定した教員講習会を修了した者(保健医療福祉と柔道整復の理念を教授する場合に限る。)
専門分野 次の各号のいずれかに該当する者であつて教育内容に関し相当の経験を有するもの又はこれと同等以上の知識及び経験を有する者
一 医師
二 柔道整復師の免許を取得してから三年以上実務に従事した後、厚生労働大臣の指定した教員講習会を修了した者
専門基礎科目のうち、「人体の構造と機能」(13単位)と「疾病と傷害」(12単位)については、医師または特別支援学校*1の理療の普通教員免許を有する者*2が適当とされていますが、指導を受けた学校では、柔道整復師理学療法士などが教えていたとのこと。


*1 旧名称では盲学校・聾学校養護学校とされていました。「特別支援学校」は学校教育法の改正により2007年4月から使用されている名称。
*2 理学の文部科学大臣の指定する特別支援学校の教員養成機関の理療科を卒業する必要がありますが、調べてみたところ、筑波大学の理療科教員養成施設しかなさそう。


無資格者による講義は無効となるため、補講が必要となってきます。
一昨年騒がれた高校での「世界史履修漏れ問題」では、「授業を受けていなかったので補講へ」というケースですが、これは「講義を受けたにもかかわらず、教員が資格を持っていなかったため無効扱いになり、補講へ」となっており、学生の負担は大変なものでしょうね。
(受験準備が重要な時期に補講が組まれた高校生も、もちろん大変ですが)


琉球新報の記事に理事長の詳しいコメントが掲載されています。


無資格者講義で授業240時限無効 琉球リハビリ学院 琉球新報(2008.9.6)

学院の儀間智理事長は「教える資格のない人に授業をさせてしまった。認識が甘かった」と話している。


儀間理事長は「教員が他校に引き抜かれたり、辞めたりし、資格者で対応できない事情もある。父母と学生には2度の説明会を実施し、納得してもらっている。補講は半分まで終わったが、ほとんどの講座は県外から優秀な教員を招いている。今のところ苦情はない」と話している。

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