◇看護師等の国家試験問題に、写真など視覚素材の取り入れへ 厚労省通知 CBニュース(2008.8.12)
厚生労働省はこのほど、看護師等の学校(養成所)長宛てに、保健師助産師看護師国家試験の出題形式について通知を出した。
通知によると、平成20年3月にとりまとめられた保健師助産師看護師国家試験改善部会の報告書を踏まえ、第95回保健師、第92回助産師、第98回看護師の国家試験からは、新たな出題形式も取り入れるとしている。
記事中にある「平成20年3月にとりまとめられた保健師助産師看護師国家試験改善部会の報告書」というのは
◇保健師助産師看護師国家試験制度改善部会報告書について 厚生労働省(2008.3.24)
にある「報告書(本文)(PDF)」のことだと思われます。
この報告書では
1.看護師国家試験について
○必須問題の出題数増(30問→50問)
○禁忌肢は導入しないが、「倫理に反する行為」や「直接、生命を脅かす行為」についての出題を強化する。
2.保健師国家試験について
○必須問題は導入しない
3.助産師国家試験について
○必須問題は導入しない
4.共通する事項について
○K2タイプでは正解が完全にわからなくても絞り込みができるためX2タイプも導入すべき
*K2タイプとX2タイプの違い
タイプ | K2タイプ(現行) | X2タイプ(案) |
出題形式 | 都道府県庁所在地として適切な組み合わせを選べ 1.沖縄市・大津市 2.出雲市・岐阜市 3.高崎市・さいたま市 4.水戸市・盛岡市 |
都道府県庁所在地を2つ選べ 1.沖縄市 2.大津市 3.前橋市 4.出雲市 5.郡山市 |
塗りつぶすマーク | 4 | 2と3 |
○4肢択一にこだわる必要はない。
○図ではなく、写真などの視覚素材を導入すべし。
○プール制への公募数が少ないので、臨床の看護師等教員以外からでも応募できるようにする
○薬剤の用法や薬効の理解、緊急時の対応及び看護倫理に関する項目を充実すべき
とありますが、通知文によると平成21年の国試から導入されるのは
1.五肢択一式と五肢択二式(X2タイプ)の導入
2.視覚素材の導入(看護師・助産師のみ)
とのこと。
視覚素材を用いた出題の例としては、第102回医師国家試験の問題が掲載されています。通知文は公表されていないので、公表されている医師国家試験から引っ張ってきました。
B問題 46
ある病院において院内感染対策を強化することとした。院内感染症対策委員会(ICC)の下に感染制御チーム(ICT)を立ち上げた。ICTは病院職員の手洗いを標準予防策に則ったものとする教育をまず行うこととした。手洗いの手順(別冊 N0.5?〜?)を別に示す。
手洗いの手順で最後に行うのはどれか。
ちなみに、正解は1です。(指先から洗って・・どんどん下がっていきます)
単純に考えると、これまでの「4肢択一式」よりは、難しくなっていますが、K2タイプの「答えがわかってなくても正解肢が選べる」という問題点の改善が目的ですので、受験生の皆さんは頑張って下さい