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民主党も認識不足。ネクスト厚生労働大臣は何もわかってない?


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救急隊の過半数が「利用してない」−救急医療情報システム CBニュース(2008.10.24)

民主党の厚生労働部門会議が10月24日に開かれ、東京都内で妊娠中に脳内出血を起こした女性が7医療機関から受け入れを断られた後に死亡したとされる問題で、23日に引き続いて厚生労働省消防庁からヒアリングを行った。

(略)

会議の最後に、山田正彦衆院議員は「ベッドが空いてない、医師がいないなどの理由で安易に受け入れを断らないでほしい。緊急対応策をぜひ考えてほしい」と訴えた。

東京・妊婦脳内出血死の件で、民主党厚生労働省総務省消防庁からヒアリング(意見を聴取すること)を行ったようです。
ちなみに、記事の最後にある山田正彦衆院議員は、民主党の「次の内閣」ネクスト厚生労働大臣ですが、その発言内容を見ると、「何もわかっちゃいない」という印象。

というのも、「ぷにっと囲碁!なブログ」さん(現在、ブログ凍結中みたいです)に、「救急受け入れ問題FAQ」という非常に良く整理されたFAQがありますが

●なんで「専門外だから」が断る理由になるの?
「専門外の患者を受け入れるのは犯罪」という司法の判例(奈良心タンポナーデ事件)があるからなんです。

●ベッドが無いなら、廊下で治療すればいいんじゃないの?
「設備不十分な状態で患者を受け入れるのは犯罪」という司法の判例加古川心筋梗塞事件)があるんです。

そもそも、「ベッド」「ベッド」って言われてますけど、病院でいうところの「ベッド」は、心電図とか、酸素マスクとか、呼び出し用ボタンとか、それを管理する人員とか、それら全て「込み」ですからね。もはや「ベッド」というより「設備」と言ったほうが適当かも。

●応急処置してから、他の病院に移すのは駄目なの?
「応急処置の後、他病院に転送するのは犯罪」という司法の判例(上に同じく、加古川心筋梗塞事件)があるんです。

つまり、「ベッドが空いていない」「医師がいない」状態で受け入れることを、司法は「やってはいけないこと」としています。だから、たらい回しでも受け入れ拒否でもなく、受け入れ不可能と現場は言っているわけです。

ネクスト厚生労働大臣は「ベッドが空いてない、医師がいないなどの理由で安易に断らないで」とか言ってますが、安易に断っているわけではありません。受け入れ不可能だから断っているのです。

そもそもは、立法府が「医療現場のみなさん、こういった場合は受け入れても大丈夫なように法整備しました。だから安心して受け入れて下さい」とするべきではないんでしょうか?

それをやらずに、「安易に受け入れを断らないで」と現場に押しつける人を「ネクスト厚生労働大臣」にする民主党はどうしたんでしょうか。ロハス・メディカルで執筆されている鈴木寛氏みたいな方が適任だと思うのですが晴れ


◇参考リンク
加古川市民病院、急患死亡で敗訴 現場に波紋今も 神戸新聞