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医療ルネサンスでの読売新聞医療記者の体験談


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Wikipediaのモンスターペイシェントの項目にある「モンスターペイシェントの行動例」の欄に、気になる記載がありました。

・ 踵骨骨折で医師は3日後の手術を予定したが「新聞社で医療を担当していると伝え」受診当日に緊急手術を強要[6]。
とっても気になる内容でしたので、調べてみた。


脚注にある出典によると、読売新聞の朝刊に連載されている「医療ルネサンス」に2000年8月1日から5日にかけて掲載された記事についてらしいのですが、内容としては、「橋から飛び降りたら足を骨折した」から始まる治療体験談。



◇「手術は3日後…」ぼう然 読売新聞(2000.8.1)

(2000年3月の土曜日に、ジョギング中に土手を無造作に飛び降りたところ、かかとを骨折。救急車で搬送される)

「両足のかかとが骨折しています。右はひび程度ですが、左は粉砕しています。手術は今度、整形外科医の来る火曜日です」
わが耳を疑った。救急車で搬送されながら、直ちに手術できず、3日間も待つの?
「ちょっと待って下さい。先生がいるじゃないですか」
「私には外来があります。命にかかわりないし、急性期の痛みはまもなく引きます。手術が来週でも結果は変わりません」
そう言うと医師は外来診察になっている隣室に消えた。


たくさんの病院がある東京で、なぜ常勤の整形外科医がいないようなところに搬送されたのか。ほかの病院を探そうにも身動きが取れず、電話も使えない。そのまま2時間、処置室に放置される形になり、腹が立った。

(退院後、他の病院の整形外科医に取材したところ、実際は骨折の数日後〜7日後に治療することが多く、治療結果も変わらない、(土日に)すぐに手術できる体制を取るのが難しい事情もあるとの説明を受ける)

だが、そんなこと、私は知らない。元々痛みには弱い方で我慢が足りないと、家族には言われている。「今日、何とかできませんか」と、医師に言った。


しばらくして「院長と相談した」と戻ってきた整形外科医は「私でよろしければ、手術をします」。私が新聞社で医療を担当していると伝えたことが作用したのか知らないが、その日の午後、手術することになった。


記者(医療担当)が土曜日の救急体制・診療体制を理解していないことがまず、予想できます。


次に、我慢強くないことを告白し、「そんなことは知らない。今日中に何とかできませんか」と医師に伝えていますが、その時、「新聞社で医療担当をしている」ことを伝えたようです。


記者は「作用したのか知らないが」と言ってますが、病院側からしてみれば、脅しと捉えた可能性もありますよね。怖いです。


その後、この病院では「平日に手術」となっているようですが、土曜日に手術をしたようです。
(土日は一般の予約外来やオペ・検査が少ないため、スタッフ数が平日よりも少ないことが多い)


さて、手術となったこの記者ですが、後日、取材した整形外科医に「かかとの骨折なら急ぐよりも、信頼できる医者に任せた方が良い。手術の出来によって痛みの残り方が違う」と言われたらしく、「その時は、それも知らなかった」と書いています。


って、救急で担当した医師は、「手術が来週でも結果は変わりません」と伝えているんですよね。
それを、「3日も待つのか!?痛みには強くない」ということで、「新聞社で医療担当をしている」という台詞付きで「今日中にやってくれ」と言ったことで、午後にオペとなったんですが・・・


非常勤で土曜日に外来を担当している医師による予定外のオペってことは
外来の患者さんたちはどうなったんでしょうか?
スタッフはどうしたんでしょうか?
(上にも書きましたが、土日はスタッフ数が少ないことから、オペに対応できるスタッフを呼び出した可能性もあります)


そんな、自分の都合だけでオペを無理強いした記者の感想は

事後に聞いた土屋部長のアドバイス。「かかとの骨折なら、急ぐよりも信頼できる医師に任せた方がいい。手術の出来によって、痛みの残り方などが違ってきますから」。その時は、それも知らなかった。


「急いでやるんじゃなくて、信頼できる医師にやってもらえばよかった」みたいな感想タラ〜


・・・「モンスターペイシェントの行動例」に記載されるのも分かる気がします。


しかし、これを載せるのは・・・さすがですね。