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読売新聞「医療事故被害者遺族をネットで中傷」


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自分勝手、クレーマー…医療事故被害者遺族をネットで中傷 読売新聞(2008.12.12)

医療ミスで患者を死亡させたとして医師が起訴された事件の遺族たちが、インターネット上で誹謗(ひぼう)中傷にさらされている。


中には死亡した当事者本人を責める書き込みもあり、専門家からは「このままでは遺族が正当な主張さえできなくなる」と対策を求める声が出ている。

この記事はちょっと嫌らしい書き方をしています。

  • 医療過誤被害者(加害者がいます)
  • 医療事故被害者(加害者はいません)
  • まっとうな議論
  • 誹謗中傷


被害者や遺族を誹謗中傷しているヤツが、メディアに批判されるのは当然ですが、この4者を(あえて?)ごちゃ混ぜにすることで「ネットでの議論は全て誹謗中傷だ」と読み取られてしまう内容にしている点が気になります。


同じ記事中に

犯罪被害者基本法を所管する内閣府によると、医療ミスがあったとして医師が業務上過失致死傷で起訴された場合、被害者や遺族は無罪判決が確定しても同法によって保護される「犯罪被害者等」に当たる。

とありますが、同じように、医療ミスがあったとして起訴された医師であっても、「過失はなかった」ということで無罪になれば加害者ではありません。


しかし、それにも関わらず


なぜ幼児の死亡率が高いのか 救急医療機関が足りない MSN産経ニュース(2008.11.29)

東京都杉並区で平成11年、4歳の男児が割りばしがのどに刺さって死亡した事故で東京高裁は20日、業務上過失致死罪に問われた医師に対し、1審に続き無罪を判決した。


割りばしが脳まで達していたにもかかわらず、当直だった医師の専門が耳鼻咽喉科だったため、必要な治療が行われないまま死亡した。

と、「当直医のせいで死亡した」と未だに書き続けることは、医師に対する誹謗中傷ではないのでしょうか?(判決文では、「当時の医療水準および医師が救急隊や保護者から持たされた情報で割りばしが刺さっていることを想定するのは無理」とされています)


このような「無罪の人を加害者扱いする」書き方や言動に対して、反論の声(真っ当な意見)があがるのは当然です。それを、一部の過激な意見(誹謗中傷)を例にあげて「ネットで中傷が横行」「ネットは悪だ」なんて一括りにするのは、やめて欲しいです。


まさか、「メディアによる中傷は正義だが、それに反論するのは全て悪だ」なんて考えていませんよね?