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「聞き違え」、航空ではシステム改善、医療では個人のせい


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「テークオフ待機」で無断滑走、誤解まねく管制用語制限へ 読売新聞(2009.1.23)

北海道・新千歳空港で昨年2月、日本航空機が管制官の許可を得ずに離陸滑走した問題で、運輸安全委員会は23日、管制官が「テークオフ」(離陸)という言葉を使って「待機」を指示したため、機長が誤解したことが原因とする調査報告書を公表した。


同委は、管制官の用語の使い方が誤解の一因になったと判断、国土交通省に対し、管制規定で「テークオフ」という用語の使用を制限するよう求める異例の意見を付けた。新千歳空港の管制業務を行う自衛隊でも徹底されるよう、防衛省との調整を求めた。報告書を受け、国交省は、用語の使用制限を行う見通しだ。

『テークオフ(離陸)』使い準備要請 管制用語機長が誤解 日航機の無許可滑走 東京新聞(2009.1.23)

国交省がテークオフの使用制限を航空路誌に記載した時点で基準に明記し、自衛隊にも連絡して統一運用化していれば、今回の事案を防げたはずだ。


管制指示の誤解で滑走路への誤進入を防ぐため、国際民間航空機関は二〇〇六年に滑走路進入許可の用語を改訂。日本は新用語で管制交信するが、徹底されない国もある。新旧用語の混同が要因とみられる外国機の滑走路誤進入も起きており、海外を含めた管制用語の統一運用化が急務だ。

聞き違いによる誤解は、医療事故でも大きな原因の一つとなっていますが

  • 航空業界の場合は、国交省が「用語の使用制限」など、システムの抜本的な改善を行うのに対し
  • 医療業界の場合、厚労省は「関係者は安全確認を徹底しろ」と、責任を現場に押しつける傾向があります。


医薬品・医療用具等安全性情報202号 厚生労働省医薬食品局

3)ウテメリンとメテナリンについて


ウテメリン(切迫流・早産治療β2-刺激剤)とメテナリン(子宮収縮刺激剤)は,薬剤名が類似しており,これまでにも数件の取り違え事故が報告されている。両剤は逆の薬理作用を有することから,ウテメリンを投与すべき切迫流早産患者に,誤って子宮収縮作用のあるメテナリンを投与した場合には流早産を引き起こすおそれがある。今般,関係企業2社により,これまで以上に薬効及び薬剤名を大きく表示することで,注意を促す表示の改善が図られた(図3,図4参照)。


両剤の取り違えは,単に名称が類似しているためだけでなく,妊婦が時間の経過によって産婦になるなど,妊婦と産婦が複雑に混在する医療現場において,両剤の効果が逆であるもののいずれも子宮の収縮に関連する作用を有するものであることから,混乱を招きやすいことも指摘されている。医療機関においては,両剤を病棟で管理する場合にあっても近接して置かないなど,取り違えを起こしにくい環境を整えるとともに,関係者に薬効表示の確認を徹底されたい。

>混乱を招きやすいことも指摘されている

と分かっているなら、ウテメリンメテナリンのどちらかの名称を変えさせるなりの行政指導を実施するべきではないのでしょうか?


◇過去記事


ヒューマンエラー対策については、こちらをご参照下さい。


◇参考リンク