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産経新聞の嫌らしい見出し


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産経新聞の「嫌らしい見出し」が続いております。


医療制度改革後退 レセプト請求の完全オンライン化先送り MSN産経ニュース(2009.2.28)

政府・与党は27日、具体的な治療内容や投薬名、診療報酬点数が書かれたレセプト(診療報酬明細書)請求について、完全オンライン化する時期を平成23年度から、さらに先送りする方針を固めた。先送り期間については、5年にする案が浮上している。衆院選を控え、日本医師会などの反対論に配慮した。来月にも閣議決定される規制改革推進3カ年計画の改訂版に反映させたい考えだ。

▲すでに病院では実施されているレセプトオンライン化ですが、オンライン化の結果「医療費が抑制できた」というデータ・報告書はまだありません。ソースもなしに「医療制度改革後退」とな。あと、衆院選と医師会を結びつけていますが、医師会には昔のような集票機能はあまりありません(医師会推薦候補の武見氏が落選したことからも明か)。




【ゆうゆうLife】医療・介護 病院を出される(1) MSN産経ニュース(2009.2.23)

以来、死に物狂いで行き先を探した。しかし、病院の相談室は施設リストをくれただけ。主治医に高齢者を受け入れる病院への紹介状を頼むと、「今までに何枚も書きましたが、すぐに入れた人はいないですよ」と言われた。片っ端から病院にあたり、結局、実家から車で2時間かかるホスピスに転院できた。「在宅介護がいやだったわけじゃない。でも、何かのときに24時間対応してくれる医療の後ろ盾なしに、自宅で療養するのは無理なんです」

社会的入院による医療費高騰を、メディアは「悪」と報道し続けてきました。ということで、平均在院日数によって診療報酬を削減されるなど、病院に長期入院できないような診療報酬体制になり、一方で、これまた「特養化」と批判されていた療養型病床群も、経営できないような診療報酬を設定したため、「胃ろうが入っているぐらいじゃ退院。受け入れ先だった療養型も激減」ということになったのですが・・今度は「病院を出される」と病院批判ですか。「なんでも反対野党」みたいな新聞ですね。




静岡県、医師不足解消へ大盤振る舞い 予算、前年度比2・8倍増 MSN産経ニュース(2009.2.19)

このような医師や医療機関の偏在をなくし、地域医療の充実を図るのが急務だとして、県は新年度予算で医師確保対策費として5億6600万円を確保した。財政状況が極めて厳しい中、前年度比で2・8倍という大盤振る舞いだ。

▲予算に対して「大盤振る舞い」って表現する場合は、「良くない予算の使い方」に対して使うことが多いですが、産経新聞にとっては医師不足解消への取り組みは「良くないこと」なんでしょうか。



せっかくなので、昨年の「嫌らしい見出し」(一部)もどうぞ〜



「経験豊富でも予見困難」と医師らを不起訴処分 京大病院医療ミス MSN産経ニュース(2008.12.26)

京都大学付属病院(京都市左京区)で平成18年3月、脳死肺移植を受けた兵庫県尼崎市の女性患者=当時(30)=が死亡した事故で、京都地検は26日、業務上過失致死容疑で書類送検された執刀医ら3人について、嫌疑不十分で不起訴処分にした。

処分理由について、地検の大仲土和・次席検事は「原因には客観的に証明しがたい点が存在し、経験豊富な専門医でも予見しがたい特殊例だった可能性がある」と説明した。

経験豊富な専門医でも予見しがたい特殊例=医療過誤(医療ミス)ではありません。
医療ミスを不起訴処分にしたのではなく、医療ミスじゃないから不起訴処分になったんですが、記者には理解できないようで・・




2億円の診療報酬過大請求 静岡県立総合病院(2008.9.4) MSN産経ニュース(2008.9.4)*1

発表によると、18年5月からの1年間で検査や画像診断を重複して実施したり、保険の適用外の投薬を行うなどの過大請求があった。

▲病院の発表によると、一番多い理由は「臨床研修入院診療加算の要件不備(カルテ記載)」「診療録への入院診療計画書の添付なし等の要件不備」ですが、産経新聞を読んでいると「過剰診療・検査・違法行為で請求している金儲け病院」と勘違いしそうですね。




65歳以上は過去最高更新 18年度の国民医療費 MSN産経ニュース(2008.8.28)*2

厚生労働省は28日、平成18年度に病気やけがの治療で医療機関に支払われた医療費の総額である国民医療費が、過去最高を更新した前年度とほぼ横ばい(13億円減)の33兆1276億円となったと発表した。このうち65歳以上は全体の51・7%にあたる17兆1233億円を占め、過去最高を更新した。

▲診療報酬マイナス改定のため、全体医療費は下がったのですが、なんとかして医療バッシングしたい産経新聞は「65歳以上は過去最高」という見出しをつけました。

しかし「年齢階級別国民医療費」によると


 平成17年度の65歳以上の一人当たりの国民医療費は65万5700円
 平成18年度の65歳以上の一人当たりの国民医療費は64万3600円


一人当たり医療費で見ると、65歳以上も下がっています。増えたのは65歳以上の人口が増えたから。産経の記者はフィーリングだけで記事を書くことがお好きなようです。




有毒ガス発生「想定外」 通常の中毒と同様の処置 熊本赤十字病院 MSN産経ニュース(2008.5.22)*3

同病院によると、救急隊からは男性の飲んだ農薬の名称が「ピクリン」との報告があり、文献やインターネットで検索したが見つからなかった。農薬の正体が分からないまま処置を始めたという。

▲農薬と判明するまでは、処置をしたらダメって・・判明するまで処置しなかったら「放置」と書くんでしょうね。




◇麻酔科医が半分に!待遇不満で退職 国立がんセンター中央病院 MSN産経ニュース(2008.4.3)*4

給与面などで待遇が良い他の病院への転籍が主な退職理由といい、手術件数が減るなどの影響が出ている。

▲主な退職理由は給与ではないのですが、「結局、金か!」と印象づけたい産経新聞タブロイド的見出しですね。




救急搬送の10回以上拒否、昨年は1329件 62回門前払いのケースも MSN産経ニュース(2008.3.31)*5

大阪市消防局が昨年1月、吐血した30歳代男性を運んだケースでは救命救急センターに搬送されるまで62回受け入れを拒否された。

▲内容も分析せずに「門前払い」とラベリング。




医療過誤の立証なお壁高く 割りばし事故訴訟 MSN産経ニュース(2008.3.31)*6

医療水準を基準とした場合、どうしても医師側の意見に判断の根拠を求めがちだ。原告側は病院側からの資料入手が難しく、刑事裁判の記録を証拠として提出したが、判決は医療過誤事件の立証の難しさを改めて示したといえる。(福田哲士)

▲割りばし事件は医療過誤ではないのに、「医療過誤の立証なお壁高く」って、なんなんでしょ。



まだまだあるけど、これぐらいで。