保健師のまとめブログ

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改正保助看法が可決成立へ。気になる点も。


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看護協会ニュースの号外で気づきました。保健師助産師看護師法保助看法)と看護師等の人材確保の促進に関する法律(人確法←と看護協会は略していた)が改正されたようです。


改正保助看法など成立、来年4月施行 CBニュース(2009.7.9)

保健師助産師看護師法保助看法)と看護師等の人材確保の促進に関する法律(看護師等人材確保法)の改正法が7月9日の衆院本会議で、全会一致で可決、成立した。改正保助看法では、保健師助産師の国家試験の受験資格となっている修業年限を半年以上から1年以上に延長することや、看護師の国家試験については、看護系大学の卒業を明記するとし、改正看護師等人材確保法では、看護師などの研修に関して国や病院開設者などの責務を明記するとしている。両法は来年 4月1日に施行される。

今回の改正案は、次の3点です。

  • 保健師助産師の教育年限が6ヶ月以上から1年以上に延長
  • 卒後研修および機会確保の努力義務化
  • 看護師国家試験受験資格の1番目に「大学」を明記

保健師助産師の教育年限が6ヶ月以上から1年以上に延長

看護協会は3番目をニュースのトップに掲げて「大学が1番目に明記されたことは、看護師基礎教育は大学が主流へ」としていますが、個人的にはこの「保健師助産師の教育年限が"1年以上"に延長」に注目です。


その前に、現在の教育年限ですが

  • 看護師→3年以上
  • 保健師→6ヶ月以上
  • 助産師→6ヶ月以上


となっています。全部合わせて4年。大学も4年ということで、大学では卒業時に最大で保健師助産師・看護師の3つの国家試験受験資格が得ることができます。*1


ところが、今回の改正では

  • 看護師→3年以上
  • 保健師→1年以上
  • 助産師→1年以上


となったため、全部合わせて5年。大学の4年間では収まりません。保健師助産師は、どちらか一つだけと言うことになります。が、現行の制度では、「看護師と保健師」が必須となっており、自動的に助産師が外れます。


将来的には「保健師は必須から選択制」になるため、「看護師と助産師」という大学も出てくるかもしれませんが(→こちら参照「看護大学、保健師教育必修を除外へ)、それまでは、助産師になるには修士課程or専攻課程or養成校に進む必要が出てくるかも知れませんが、これって大きな影響が出ると思います。



(大学以外の内訳:大学院、大学専攻科、短大専攻科、養成所)
(ソース→助産師になりたい方へ (合格率)


2009年の助産師国家試験では、合格者のうち、受験資格が大学な方は全体の36%、549人。ここがなくなってしまうわけでして、大丈夫なんでしょうか?(専攻科に進む方や、大学が「看護師と助産師教育」へ移行などで、ごっそり無くなるわけでは、ないとは思いますが・・)なんらかの経過措置とかがとられているのかな?


卒後研修および機会確保の努力義務化

保助看法 看護職者は免許取得後も研修を受けて資質の向上を図るように努めねばならない
人確法 事業主は、新人研修の実施および看護師が研修を受ける機会を確保するよう配慮する

法案提出側および関連団体の意見としては

  • 医療安全の推進
  • 看護実戦能力の向上
  • 新人看護師の早期離職防止


といった感じです。


で、医師会がなにやら言ってます。


改正保助看法、「従来と何ら変わりはない」―日医

日本医師会は7月15日、定例の記者会見を開いた。この中で羽生田俊常任理事は、保健師助産師看護師法保助看法)と看護師等の人材確保の促進に関する法律(看護師等人材確保法)の改正法について、「従来と何ら変わりはない」などとする見解を表明した。

また、看護師などの国家資格取得後の研修については、あくまで努力義務規定で、「医師の臨床研修制度のように法で縛られていない」と指摘。「全国約5万人の看護師が誕生するわけで、一律に研修を受けさせるのは物理的に不可能」とした。


医師会としては「法律で義務づけられていないし、努力義務でしょ? 研修しません。配慮しません。」という感じでしょうか。まぁ、そんな考えの医療機関に、新人看護師が率先して就職したがるとは思えません。7:1看護体制導入の時みたいに「制度のせいで、うちらの病院に看護師が来ないじゃないか」と騒ぐのかな、そのうち。


日医のソースはこちらからどうぞ→日医白クマ通信 No.1157

*1:専門教育で4年まるまる使っていますが、大学教育という意味ではどうなんでしょうか・・一応、教養科目もありますが