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日本看護協会に学術会議会長談話やホメオパシーについて聞いてみた


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日本学術会議が8月24日にホメオパシーに関する会長談話を発表したところ、さまざまな医療系職能団体や学会が談話に賛同する声明を出していますが(「ここ最近のホメオパシーについての流れ」2010.8.30の記事)、日本看護協会だけは反応がありません。(「日本看護協会にがっかり(訂正あり)」2010.8.31の記事)

なので、直接、看護協会に電話して聞いてみました。(ブログで公開することについては確認とってます。ただし、メモをとっていたのですが記憶違いがあるかもしれませんので、あくまでも私の受け取り方・理解の仕方ということでお願いします。)
ちなみにホメオパシーについての会員からの問い合わせは、自分が一人目なんだそうです。(ネットで見る限りでは他の方も問い合せているようですが・・)

1.先週問い合わせしたのに1週間連絡がなかった件について

実は、会長談話の翌日(翌々日かも)に一回問い合わせしていたんですが、「担当者不在→折り返し連絡します」のパターンだったので待っていたんですが、連絡が一向にこなかったので、今日(2010.9.2)再度電話したところ、「お時間がかかってしまい、申し訳ございません。内部で役職員の意見を〜」と言ってましたので、協会内でも反応や意見調整があったようですね。

2.日本学術会議の会長談話について

会長談話やそれに対する医師会・薬剤師会などの声明については、看護協会でも把握されていました。看護協会の対応について確認すると「厚生労働省代替医療について調査を行うので、その結論を待ってから協会として対応する」とのこと。現時点では協会としての声明の発表などはないようです。

3.厚労省の結論がでるまでの対応について

厚労省の調査を見守るという形だったので、「では、それまでは保健師助産師・看護師がホメオパシーを業務で使用することについては問題ないと考えているんですか?」と質問したところ「調査の結果がでるまではホメオパシーを含めた代替医療全般について、看護職が使用することについて特にアクションはとらない」と言った感じです。ここら辺はこっちもいろいろつっこんで質問したんですが(「保健師として働いているが、ホメオパシー団体の中には予防接種に反対する団体もあって、同じ看護職に予防接種の反対をされることもある云々」といったことを説明)、「ただし、現時点での話であって結果がでるまで何があっても何もしないわけではないです」と。担当の方も返答の仕方や言葉選びにいっぱいいっぱいな印象。

4.根拠に基づいた医療(EBM)、根拠に基づいた看護(EBN)について

協会として「根拠に基づいた医療」(EBM)、「根拠に基づいた看護」(EBN)についてどのように考えているのかを聞くと「もちろん、看護職は根拠に基づいた医療・看護そして安全安心の看護を行うべき」と。ここで「会長談話はホメオパシーは根拠が全く無いと言っているが」とふると、「厚労省の調査を結果を」と、やはり現時点では根拠全否定でも声明などは出さない様子。

5.日本助産師会の会長談話賛同に対する、看護協会助産師職能委員会の対応

個人的には「助産師会と協会の助産師職能委員会は会員もかぶっていて連携も蜜なので助産師会が賛同したら協会助産師職能委員会も賛同する」と思って聞いてみたんですが、そこまで連携が蜜でもないみたいです。
助産師会の公式サイトにある「日本助産師会の歩み(歴史)」では

1953(昭和28)年、看護協会が国際看護師協会(ICN)に加盟するにあたり、今まで正会員であった助産婦(現・助産師)は準会員として扱う、という意見が出されました。また、厚生省(現・厚生労働省)は、当時新しく計画する社会福祉社会保障の準備段階として助産婦実態調査を企画していました。その調査への協力要請に対する、協会と助産婦部会との意見の対立などもあって、助産婦職の一層の独自性と専門性を尊重した、助産婦独自の会の設立を求める声が高まりました。また、保助看法以前の助産婦には、看護教育を受けていない者が多く、そのような助産婦たちの間では、合併当初から、看護協会に所属することに抵抗感もあったようです。1955(昭和30)年1月、臨時総会において、190対2で助産婦部会は看護協会からの脱会を決議しました。100人が協会に残留、会員数6万人からなる日本助産婦会が創立、同年5月27日、正式に社団法人日本助産婦会として認可されました。

うん。そこまで、仲が良いわけではないようですね。

6.日本統合医療学会との関係について

日本統合医療学会IMJ)の公式サイトにある「IMJ関連学会」のリンクに日本看護協会があるので、「ホメオパシー団体も参加している統合医療学会の関連団体だから、ホメオパシーについて否定的な意見を言えないのでは?」と聞くと、「そのようなことはありません。リンクは向こうが入れているだけ。看護協会は統合医療学会と連携してはいません」と。

7.まとめ

現時点(2010.9.2)での看護協会の考え方としては

  • 会長談話については厚労省の調査結果をまってから協会として対応する
  • それまでの看護職による業務でのホメオパシー使用については、「ホメオパシーを含めた代替医療全般」について特にアクションはとらない
  • ただし、何かあった場合何もしないというわけではない

ということでした。あと協会サイトにあるパブリックコメントも教えてもらいました。

うーん、昨日までは「看護協会の対応にがっかり」でしたが、協会の考え方を聞いてみても、やはり「がっかり」です。
「看護職は根拠に基づいた医療・看護を行うべき」と言っておきながら、学術会議によるホメオパシーの根拠全否定については、「厚労省の調査を見守る」との対応。どう考えてもチグハグしてますよね。なぜ「看護協会も会長談話に賛同します」と言えないのか、今回はその理由までは聞けませんでしたが、退会も視野の端っこにいれながら、こっちも協会をチェックしていきます。


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