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生活保護受給者は後発品を基本に。正当な理由なく拒否すれば保健指導?


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生活保護、後発薬服用を基本に 厚労省が検討 中国新聞(2013.1.19)

厚生労働省は19日、生活保護の医療費(医療扶助)を抑制するため、受給者に価格の安いジェネリック医薬品(後発薬)の服用を基本とする方向で検討に入った。特別の理由がなく拒否した場合には、福祉事務所の保健指導の対象にする。

厚労省は昨年4月に通知を出し、医師の判断で後発薬を使用しないよう指示した場合を除き、後発薬をいったん服用させ、服用後に本人の意向を再確認することを基本としている。

しかし受給者の後発薬使用が進んでいないため、後発薬が基本であることを明確化。受給者が拒んだときは尊重するものの、正当な理由がなければ福祉事務所で専門の相談員が指導する。

保健師なので保健指導という単語に反応するんですが、「福祉事務所の保健指導」というのは保助看法の保健指導ではなく、どうやら

生活保護法

(指導及び指示)
第二十七条  保護の実施機関は、被保護者に対して、生活の維持、向上その他保護の目的達成に必要な指導又は指示をすることができる。
2  前項の指導又は指示は、被保護者の自由を尊重し、必要の最少限度に止めなければならない。
3  第一項の規定は、被保護者の意に反して、指導又は指示を強制し得るものと解釈してはならない。

のことを指しているようです。


これまで、後発薬の義務化に関しては案が何度か出てきているんですが、医師の裁量権との問題があるため、導入が見送られた経緯があります。
しかし、自民党は先の衆院選政権公約集で「医療費扶助の適正化*1」を掲げていたため、1月18日の大臣記者会見では

田村大臣閣議後記者会見概要(H25.1.18(金)10:52  〜11:06 省内会見室)

(記者)
 基準部会の方ではなくて、もう一つの生活困窮者支援の特別部会の方の報告書についてなのですが、生活保護制度の改正のところを読むと、自民党マニフェストに書いていた、ジェネリックの義務化は大臣も疑問を呈してらっしゃいますが、ジェネリックの義務化の他、現物支給の推進ですとか、有期制の導入を検討などといった自民党マニフェストに書いていた部分が、報告書にはないのですが、その辺りでマニフェストとの整合を今後どうなさるおつもりでしょうか。
(大臣)
 まず、自民党マニフェストとは呼んでいないようでございます。政権公約集だと思うのですが、事実上、そちらの方に誘導ができればいいと思うのです。それで、例えばジェネリックも確か、どっちに書いてあったか、政権公約集に書いてあったかどうか記憶が曖昧ですが、確か、医師がそのような指導をするように義務付けるというような話があったと思うのです。
(記者)
 それは、確か生活保護プロジェクトチームの案。

(大臣)
 そうです。それを基に政権公約集を作っているので、ジェネリックというものに対して、事実上、そちらを推進できるような方向になればいいなと思っておりまして、たぶんかなりの部分がジェネリックに事実上なっていくような案を今検討いただいて、我が省としてもそれを基に進めていきたいと思っております。思いとしては自民党と同じ思いであります。そちらの方向に誘導していくというような、まあ基本的にとまでは原則ジェネリックとまでは言えるかどうか分かりませんが、それに近いような案をこれから検討させていただきたいなと思っております。それから。

>事実上、そちらを推進できるような方向

と少し踏み込んでいるんでしょうか。

ところで、生活保護法の指導は

(指導及び指示)
第二十七条  保護の実施機関は、被保護者に対して、生活の維持、向上その他保護の目的達成に必要な指導又は指示をすることができる。
2  前項の指導又は指示は、被保護者の自由を尊重し、必要の最少限度に止めなければならない。
3  第一項の規定は、被保護者の意に反して、指導又は指示を強制し得るものと解釈してはならない。

被保護者の「自由を尊重し」「必要最小限度で」「意に反して強制してはダメ」となっているので、記事にある「福祉事務所の保健指導」では、誘導効果がどこまであるか不明瞭なところもありますね。