保健師といえば保健指導。保健指導といえば気になるのが「体重」ですよね。
保健指導の際は、まずは
BMI(体格指数)=体重(kg)/身長(m)×身長(m)
で、BMIを計算しておき
BMI=22
が、理想的な体重として日々保健指導にあたっている保健師ですが
ちまたでは
理想の体重(kg)=身長(cm)-100
なんて言われることもあります。
そんなわけで、今回は「標準体重」についてです。
標準体重とは
◇標準体重 wikipedia
標準体重とは、ヒトが肥満でもやせでもなく、一定期間内の死亡率や罹患率が有意に低いなど、最も健康的に生活ができると統計的に認定された理想的な体重のことであり、年齢・身長・体脂肪率といった要素の全部、あるいは一部から求めるものである。用途によっていくつかの方法がある。理想体重とも言う。
現在主流なのはBMI(Body Mass Index=体格指数)ですが、「身長(cm)-100がいいんだぜ!」的な話を聞いたこともあると思います。
実は「身長(cm)-100」はブローカ式(ブローカ指数)と言われており、フランスの医師 Pierre Paul Broca(ピエール・ポール・ブローカ)氏に由来しています。
ちなみに失語症で有名な「ブローカ野」と「ウェルニッケ野」の「ブローカ野」は、彼が発見したことからこう呼ばれています。
さて、そんなブローカ式ですが、"日本では、身長が高い人で標準体重としては大き過ぎる値をとる"*1という点*2もあり、京都大学の桂英輔氏*3により
ブローカ式に0.9をかけた「ブローカ式桂変法」という計算式が考案されました。
ブローカ式桂変法
標準体重(kg)= ( 身長 (cm) - 100 ) × 0.9
しかし、この計算式は、身長が170cm以上だとそこまで問題ないのですが、低身長だと「カロリーが不足する」という問題があるため"身長160cm以下の者には不適との指摘"がありました。
そのため考案されたのが「加藤法」です。
標準体重(kg)=( 身長 (cm) - 50 )× 0.5
加藤法では、ブローカ式やブローカ式桂変法と比べ体重の軽い人の適正体重が軽くなりすぎることは、回避されたのですが、今度は「身長が高い人ほど標準体重が軽くなってしまう」という問題が出てきました。
というわけで
松谷らの法
標準体重(kg)=(身長(cm)-100)*0.6+20
ジョーンズの法
標準体重(kg)=身長(cm)-100-(身長(cm)-150)/4
だの色々生まれてきたわけですが、現在は体重(kg)を身長の2乗で割った「BMI」が、受け入れられています。
ちなみにこれまでに紹介した標準体重の求め方をグラフにするとこんな感じです。(横軸は身長、縦軸は体重です)
ジョーンズの法が一番、BMIに近いのかな?