保健師のまとめブログ

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特定保健用食品と栄養機能商品と機能性表示食品


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もはや定番のトクホ(特定保健用食品)ですが、

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あ、こっちでした▼(元ネタ*1

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H27年4月より始まったのが「機能性食品表示制度」です。

国民生活センターによると

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という感じで、分けられています。

より医薬品に近いのが「特保」で、「機能性食品」は"いわゆる健康食品"よりは良いよ!という感じでしょうか。

伊藤園でいうと

分類 商品名 写真
特定保健用食品 充実野菜 ベジタブル&ファイバー
[ケース販売]伊藤園 充実野菜ベジタブル&ファイバー 200ml×24本
栄養機能食品 ビタミン野菜
伊藤園 ビタミン野菜 (紙パック) 200ml×24本
機能性表示食品 ヘルシープラス充実野菜
伊藤園 ヘルシープラス 充実野菜 あらごし人参&りんご 195g (カート缶)×15本 [機能性表示食品]

って、感じです。

制度的には

特定保健用食品 科学的根拠については国が審査するよ
栄養機能食品 国の基準を満たせ(ただし国が審査・認可したわけではないことを明記しろよ)
機能性表示食品 企業の自己責任で表示してもいいよ(科学的根拠について国は審査しないよ)

という感じかな?

機能性表示食品制度

機能性表示食品制度は食品表示法(H25.6/28法律第70号)により導入されH27.4月から始まりました。

ちなみに食品表示法とは、「JAS法」「食品衛生法」「健康増進法」の3法に分かれていた食品表示に関する規定を、整理・統合したものです。

難消化性デキストリン

この仕組で個人的に興味があるのが「難消化性デキストリン」です。
個人的な記憶ではトクホに多く含まれていました。

hokenshi.hatenablog.com

「特定保健用食品」である「充実野菜 ベジタブル&ファイバー」では、法律で必要な表記は下記の通りですが

○充実野菜 ベジタブル&ファイバー

関与成分 難消化性デキストリン(食物繊維として)
許可表示 本品は食生活で不足しがちな食物繊維が摂れ、おなかの調子を整える飲料です。
1日当たり摂取目安量 1日200mlを目安にお飲みください。摂取上の注意:飲み過ぎあるいは体質・体調により、おなかがゆるくなることがあります。

「機能性表示食品」である「ヘルシープラス充実野菜 あらごし人参&りんご」では

○ヘルシープラス充実野菜 あらごし人参&りんご

ヘルスクレーム おなかの調子を整える
機能性関与成分 難消化性デキストリン(食物繊維)5.3g
・600gPET・・・コップ一杯(200g)当たり
・265gPET、195gカートカン・・・1本当たり
届出番号 B100(600gPET)、B99(265gPET)、B98(195gカートカン)
届出表示 本品には難消化性デキストリン(食物繊維)が含まれます。難消化性デキストリン(食物繊維)には、おなかの調子を整える機能があることが報告されています。
摂取の方法 ・600gPET・・・1日コップ一杯(200g)を目安にお飲みください
・265gPET、195gカートカン・・・1日1本を目安にお飲みください

となっています。

この2つ、言いたいのは(多分)「難消化性デキストリンはお腹の調子を整える」ですが

特定保健用食品 充実野菜 ベジタブル&ファイバー 本品は食生活で不足しがちな食物繊維が摂れ、おなかの調子を整える飲料です。
機能性表示食品 ヘルシープラス充実野菜 あらごし人参&りんご 本品には難消化性デキストリン(食物繊維)が含まれます。難消化性デキストリン(食物繊維)には、おなかの調子を整える機能があることが報告されています。


トクホである「充実野菜 ベジタブル&ファイバー」が「おなかの調子を整える飲料です」と言っているのに対し
機能性表示食品である「ヘルシープラス充実野菜 あらごし人参&りんご」は「難消化性デキストリンにはおなかの調子を整える機能があることが報告されています。」との表現です。

個人的にはこの部分が興味深いです。

つまり、トクホのように商品の効果を国の審査で証明する必要はなく
商品に特定の物質が含まれていれば「本製品には○○が含まれています。○○は✗✗という機能があると言われています」と表示できるのが「機能性表示食品」という枠組みです。

これがOKであれば、「難消化性デキストリン」の粉末をかけさえすれば、この世にある全ての商品が「機能性表示食品」を名乗れることになりますね。

国が「機能性表示食品」制度を導入した意図は不明ですが、同じ「難消化性デキストリン」を添加した商品が、片方は(国の審査が必要な)「特定保健用食品」となり、もう一方は企業の自己責任で表示できる「機能性表示食品」と分かれるのは、非常に興味深いです。