午前9時ごろ、苑を訪ねた。調理場では昼食の準備が始まっていた。この日のメニューは、さつま揚げ、もずく酢、みそ汁。白衣と帽子、マスクを着け、調理を体験させてもらった。キザミ食は誤嚥の可能性があり、ミキサー食はあまりにも素っ気ない、食事にクスリをまぜて食べさせるなんて虐待じゃないか!?。「楽しく おいしく 安全な食事を」ということで、栄養士さんが、試行錯誤を繰り返して開発された食事が、「ソフト食」です。
さつま揚げは、魚のすり身や豆腐、長芋を混ぜ、適当な大きさに小分けする。蒸した後、油で揚げるが、「ソフト食はここでひと手間かけるんです」と調理師さん。上新粉と卵をつけて揚げると、素揚げよりもふんわり軟らかく仕上がる。
大根おろし入りのあんをかけて出来上がり。見た目は通常のものと変わらないのに唇だけでかみ切れた。比較のため、さつま揚げの「刻み食」や「ミキサー食」も食べた。変わり果てた姿にまず食欲を失った。刻み食はポロポロして食べにくい。ミキサー食は口に入れるとザラザラして、水を加えているため味も薄かった。
◇参考リンク
○高齢者ソフト食について 黒田留美子公式サイト