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呉市福祉保健部長「一人年間400分娩やれば共済病院は存続可」


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新たな聖地・呉が誕生か?


2病院集約に広がる不安 呉圏域の産科医療問題 中国新聞(2007.12.7)

呉圏域での産科医療集約化問題で、産科がある呉市の公的3病院のうち呉共済病院の産婦人科を休診し、他の2病院に集約する広島大と県の方針に対し、市民の間に不安が広がっている。小村和年市長や市議会も相次いで集約化に反対の意向を示した。方針を承諾した市や医師会などの関係者も「市民にとって3病院体制の維持こそ望ましい」と本音を漏らす。

ある委員は「やむなく承諾したが地元には否定する権限すらなかった。結論ありきのようだった」と嘆く。両会の代表を務める呉市医師会の豊田秀三会長も記者会見で「本当は抵抗したかったが勤務医の過重労働問題もあり、のまざるを得なかった」と無念さをのぞかせた。

委員で市福祉保健部の中本克州部長は「医師一人で四百件を扱う民間病院もある。ハイリスクと正常分娩を分けるなどして共済病院存続は可能ではないか」と指摘する。


産科集約化に呉市議から不安・疑問 中国新聞(2007.12.4)

この日の定例会に出席した市議らの一部は「県と広島大に押しつけられた集約化に、なぜ従わなければならないのか<」「三病院体制をあきらめるべきではない」と疑問を口にした。


一般質問での市議の発言などを受け、取材に応じた小村市長は「県や広島大に呉共済病院の産科存続を再三、要望したが受け入れられなかった」と説明。「市民感情からすれば、集約化や共済病院の産科休止は安易に容認できない」と述べた。

呉だけに(?)市長も市議も医師会も福祉保健部長も「産科もくれくれ」言っています。と同時に、病院は市長・市議・医師会・部長は、すべて病院に責任を押しつけようとしています。


今の医療崩壊は、社会保障費削減に異議を唱えてこなかった自治体の責任も大きいと思うんですが(逆に、公共事業費削減が決まったら→翌朝から国交省に問い合わせの電話殺到だと)


自分たちの責任が大きいにもかかわらず、病院と大学を批判に始終する市長・市当局と市議を見ていると「またまた新たな聖地誕生か!?」と思っちゃいます。


特にひどいのが福祉保健部長の「民間病院の医師なら年間400例ぐらいは扱う」という発言。


中間管理職さんの「奈良戦線 余裕あり 産科医74人を酷使せよ: 大幅追記あり」にある

知事(奈良県):医療資源は医師が重要になるが、奈良はまだ余裕があるという意見か。
厚生労働省:まだまだ活用の余地があり、最低レベルではないと言うこと。一人で300件の分娩を扱う例もある。
知事:数はいるけど、働きがシステムとして十分ではないと言うことか。

「現場を分かっていない発言」という批判が多い、厚労省お役人様の「年間300件までは余裕」という意見よりも、さらにひどい「医師一人で年間400例扱う病院もある」発言・・・こりゃ、ダメだ雨


市内の3公的病院から2公的病院に集約に対して、やはり市民からは反対の声が起こっています

突然表面化した「集約化」に、市民の困惑は大きい。子育て支援などの活動をする市民グループ代表の山本さん=呉市=は「二病院では不安が大きく、深刻に悩んでいる妊婦は多い」と心配する。

とあります。確かに、すぐ近くにあったのが、車で1時間・2時間という風になれば不安が大きく、深刻に悩む事になると思いますが・・・


3公的病院の場所が掲載されている地図を見てみると・・・



出典:中国新聞


一番離れている、国立病院機構呉医療センターと中国労災病院の距離は「5km


7人・3人・2人体制では、崩壊してしまうから
7人・6人(3人+2人*広島大からもう一人派遣)体制にしよう(距離もそんなに変らないし)


という、病院と大学(=現場)が、現状でできる小手先だけど最大限の対応を(むしろ、呉市呉市住民にとっては、産科医療体制強化につながる良い案だと思うんだけど)


「広島大の押しつけになぜ従わなければならない!」だの「400例扱えば3人でもできる」だのと、言っていると、労災病院も共済病院も崩壊しますよ>くれくれ呉市さん。