◇朝食をとる子は太りにくい、米ミネソタ大研究 AFP(2008.3.4)
【3月4日 AFP】朝食をしっかりとる子は、とらない子よりも太りにくい―米ミネソタ大学(University of Minnesota)のこうした研究結果が、3日の米小児科学誌ペディアトリクス(Pediatrics)に発表された。
同大学の「Project EAT(Eating Among Teens)」プロジェクトは、10代の子ども2200人以上の食生活と栄養を5年間にわたり追跡調査した。その結果、朝食を毎日とる子どもでは、とらない子どもよりも1日あたりのカロリー、炭水化物、食物繊維の消費量が多く、体重も後者より軽く、肥満のリスクが低いことがわかった。
プロジェクトを主導したマーク・ペレイラ(Mark Pereira)博士(疫学、地域医療)は、「朝食を抜く子は肥満になりやすいという通説が立証された」と語っている。
米NPO団体「Trust for America’s Health」の2007年度年次報告書「F as in Fat」によると、10代の肥満児は過去20年間で3倍に増えた。2005年の統計では、10代の少年の16%、10代の少女の10%が肥満だという。(c)AFP
厚生労働省の「平成17年 国民健康・栄養調査結果の概要(平成18年国民健康・栄養調査「速報」を含む)」によると
出典:平成17年 国民健康・栄養調査結果の概要(平成18年国民健康・栄養調査「速報」を含む) 厚生労働省
平成17年時点で、毎日昼食を食べない小中学生は男子が9.3%、女子が7.5%となっています。
また日本スポーツ振興センター*1も食生活等実態調査という児童の食生活についての調査を行っていますが、「平成17年度「児童生徒の食生活等実態調査結果」によると
出典:平成17年度「児童生徒の食生活等実態調査結果」 独立行政法人日本スポーツ振興センター
平成18年1月時点で、毎日昼食を食べない小学生は男子が15.5%、女子が13.7%。中学生では男女ともに19.2%
毎日食べる小中学生がH12年と比べ微増しているものの、NASSHの調査では中学生の2割が朝食を毎日食べていないことがわかります。
なお、NASSHの調査では、欠食理由についても質問を行っています。
出典:平成17年度「児童生徒の食生活等実態調査結果」 独立行政法人日本スポーツ振興センター
1位:食べる時間がない・・・
2位:食欲がない・・・
3位:朝食が用意されていない・・・
4位:いつも食べない
5位:太りたくない(朝抜きはむしろ太りやすいが)
2位の「食欲がない」ですが、親はどうにか食べさせようと頑張るため「朝抜きよりは食べた方がいい」と、ロールケーキやお菓子を食べさせるケースが増えているそうですね・・・頑張ってはいるのですが「う〜ん」という感じです
ところで、最近見かけるCMで気になるのがあるんですが、「うちの朝ごはんはいつもお茶漬け。さらさらっと食べられるし、楽〜」とか言って、子どもにお茶漬けを与えている永谷園のCM。
永谷園のサイト「朝茶漬けニュース」には「まずは無理のない朝食習慣から始めませんか」とあり、農林水産省の「めざましごはん」キャンペーンとタイアップしているようです。
ただ、食べないよりはマシだとは言え、「子どもの朝ご飯はいつもお茶漬け」CMは、「う〜〜〜ん」です。「早出の出勤」や「体調が良くない」、「さすがに毎日は大変」ならわかるんですが、「毎日お茶漬け。楽だし」は、食育的には微妙です。
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