毎年楽しみにしている、イグ・ノーベル賞とBMJ(British Medical Journal)の年末号ですが、2008年のイグ・ノーベル賞が発表されています。
◇「コカ・コーラの避妊効果」研究にイグ・ノーベル化学賞 CNN(2008.10.3)
ボストン──「笑えるとしか言いようがなく、しかも記憶に残り、人々を考えさせる業績」に贈られる、毎年恒例となったイグ・ノーベル賞の第18回授賞式が2日夜、米ハーバード大学のサンダース・シアターで催され、「コカ・コーラの避妊効果」について研究し、真反対の結果を導き出した2つの研究グループに、化学賞が贈られた。片方は「避妊効果がある」との結論で、もう片方は「効果がない」としている。
「コーラの避妊効果」については、アメリカの研究では「ある」、台湾の研究では「ない。ついでに他のソフトドリンクにもない」となっています。ちなみに、コカコーラ社は回答を拒否しているとのこと。
以下、気になったもの。
○化学賞
受賞理由 | コカ・コーラには精子を殺す避妊効果があることを発見したことに対して |
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受賞者 | Sharee A. Umpierre(プエルトリコ大学) Joseph A. Hill(ニューイングランド生殖センター) Deborah J. Anderson(ハーバード大学医学部) |
参考文献 | Correspondence: Effect of 'Coke' on sperm motility. NEJM |
受賞理由 | コカ・コーラには精子を殺す避妊効果がないことを発見したことに対して |
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受賞者 | Chuang-Ye Hong(台北医科大学)ら他4名 |
参考文献 | The spermicidal potency of Coca-Cola and Pepsi-Cola. PubMed |
受賞理由 | イヌに寄生するノミは、ネコに寄生するノミより高く飛ぶことを発見したことに対して |
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受賞者 | Marie-Christine Cadiergues(国立トゥールーズ獣医大学) Christel Joubert(国立トゥールーズ獣医大学) Michel Franc(国立トゥールーズ獣医大学) |
参考文献 | A comparison of jump performances of the dog flea, Ctenocephalides canis (Curtis, 1826) and the cat flea, Ctenocephalides felis felis (Bouch〓, 1835) ScienceDirect |
受賞理由 | 単細胞生物の真正粘菌にパズルを解く能力があったことを発見したことに対して。 |
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受賞者 | 中垣俊之(北海道大学/理化学研究所) 小林亮(広島大学) 石黒章夫(東北大学) 手老篤史(北海道大学/Presto JST) 山田裕康(名古屋大学/理化学研究所) 〓gota T〓th(セゲド大学) |
参考文献 | Intelligence: Maze-solving by an amoeboid organism. nature |
受賞理由 | 高価な偽薬は安価な偽薬よりも効力が高いことを示したことに対して |
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受賞者 | Dan Ariely(デューク大学) |
参考文献 | Commercial Features of Placebo and Therapeutic Efficacy. JAMA |
受賞理由 | コンピュータで修正したポテトチップスの音を流すことにより、ポテトチップスを食べている人は自分の噛んでいるポテトチップスが実際以上にかりっとして新鮮であるように信じることを示したことに対して。 |
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受賞者 | Massimiliano Zampini(トレント大学)*1 Charles Spence(オックスフォード大学)*2 |
参考文献 | *1The Role of Auditory Cues in Modulating the Perceived Crispness and Staleness of Potato Chips. Journal of Sensory Studies *2Crisp sounds An experiment to get your teeth into. The Guardianatures of Placebo and Therapeutic Efficacy. JAMA |