◇飲むと赤ら顔…膵がんリスク1.44倍 読売新聞(2007.10.4)
酒を飲むと顔が赤くなる人は、そうでない人に比べて、膵臓(すいぞう)がんになるリスクが1.44倍高いことが、愛知県がんセンター研究所(名古屋市)の調査で分かった。膵がん(膵臓がん)は、原因がよくわからない病気です。アルコールを体内で分解する酵素の遺伝子タイプの違いによるもので、同研究所の松尾恵太郎主任研究員(がん疫学)は「飲酒後に顔が赤くなる人は、口腔(こうくう)がんやいん頭がんのリスクも高くなる。顔が赤くなるのは体内からの注意信号だと思って、飲酒を控えた方がいい」と助言している。
さらに、診断や治療も難しい病気と知られています。
膵臓は、周りを臓器に囲まれている上に、初期段階では自覚症状もないため、発見されたときは、すでに手遅れという場合が多いです。
原因はよく分かっていませんが、慢性膵炎や糖尿病の罹患によってリスクが上がるとの報告はあります。
慢性膵炎については、アルコール摂取と大きな関係があるのは知られています。
となると、膵がんとアルコール摂取についても関係性がありそうですが、今のところ否定的です。
上記の記事では、アルコール摂取量ではなく、赤ら顔=アルコールの分解能力でグループを分けてみると、「ハザード比が1.44倍あった」ということがわかったようです。
アルコール以外で、膵がんと関係がありそうなものについては、厚生労働省研究班 多目的コホート研究班 JPHC Studyの「肥満指数・運動量、喫煙・糖尿病歴と膵がんとの関連について ―概要―」にちょっと載っています。
これによると
○男性喫煙者の膵がんリスクは非喫煙者と比べて1.8倍
○糖尿病歴がある場合は、男性が2.1倍となっており
○逆にBMIや運動量と膵がんとの間に関連は見られない。
と、なっています。
欧米などの研究ではインスリン抵抗性が悪さをしていそうなので、
日本でもインスリン抵抗性での比較が欲しいですね。
◇参考リンク
○膵がん 国立がんセンター がん情報サービス
○膵がん/目次 愛知県がんセンター
○膵がん gooヘルスケア
○慢性膵炎 gooヘルスケア
○膵臓癌 メルクマニュアル家庭版