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米国・加州 タバコ規制で9兆円の医療費削減効果


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たばこ規制:米・加州、15年間で医療費9兆円減 費用の50倍の効果 毎日新聞(2008.9.12)

たばこ規制を実施した米カリフォルニア州で医療費が15年間に860億ドル(約9兆円)削減できたことが、カリフォルニア大の試算で分かった。この間に州が投じた規制のための費用は18億ドル(約1900億円)で、約50倍の投資効果があったことになる。研究チームは「規制は即効性があり、効果も大きい」と分析する。

WHOは喫煙について「病気の原因のなかで予防できる最大にして単一の原因」と述べており、たばこ対策を強力に推進しています。


また、国立がんセンターも、WHOの「食物、栄養と慢性疾患の予防」と題する報告書に、IARCによるたばこに関する評価の結果を加えた概要を、まとめています(下記参照)

喫煙は、肺がんだけではなく、他の多くの部位のがん(口腔、咽頭喉頭、食道、胃、膵臓、肝臓、腎臓、尿路、膀胱、子宮頸部、骨髄性白血病)のリスクを確実にあげます。


これらの結果を基に、国立がんセンターは「科学的根拠に基づくがん予防」を制定しており、この中で「現状において日本人に推奨できるがん予防法」として、運動や食事など6項目を挙げていますが、1番目に「最も確実ながん予防法」として掲げているのが「喫煙」です。

●たばこは吸わない。他人のたばこの煙を可能な限り避ける。
禁煙は、最も確実ながん予防法です。非喫煙者に対する喫煙者のがん全体のリスクは、日本人を対象とした5つのコホート研究に基づくと、1.5倍程度と推計されています。すなわち、喫煙者がたばこをやめれば、がんになる確率を2/3にまで減らすことができることを意味します。禁煙は、がんだけではなく循環器や呼吸器疾患、糖尿病等多くの病気の予防につながります。日本から喫煙者が1人もいなくなれば、日本人のがんの約20%(男性では30%程度、女性では3%程度)は予防可能であるとの推計もあります。また、他人のたばこの煙を吸わないようにすることにより、肺がん予防に結びつくのみならず、心筋梗塞(しんきんこうそく)や肺炎等の予防にも役立ちます。

と、長々と補足した上で、一番上にある、カリフォルニア州でのたばこ対策ですが、記事によると、「心疾患や肺がんなどの患者が減り、04年の医療費は89年に比べ7・3%減の860億ドル節約できたと」とのこと。


やはり、たばこ対策が「もっとも根拠があり、もっとも効果的な疾病対策」のようです。


FujiSankei Business i.の記事(「メタボよりまず禁煙 たばこ原因死、年11万人以上」)に、「根拠があいまいな“メタボ健診”よりも、禁煙指導の強化こそ重要だ」とありますが、専門家からも同じような指摘が多い上に、先進国では日本人の喫煙率が突出していることから(=対策の効果が大きい)、メタボだけに特化するのではなく、たばこ対策についても官民あげて取り組まないといけないですね。


とはいうものの、今年は特定健診・特定保健指導に振り回されて、健康増進系の事業に手が回らなくなっちゃっています。



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