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ドイツの疾病管理プログラム


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日本では、特定健診・特定保健指導を導入し、「メタボリックシンドローム」とメタボによる「血管障害→脳心血管障害や細小血管障害」を、保健指導と治療により、予防することに重点をおきましたが

ドイツでは、発症予防ではなく、「慢性疾患患者の健康管理」に絞った取り組みを行っているようです。

「疾病管理プログラム」など紹介 ドイツ調査報告書/国保中央会 国保新聞(2007.6.1)

国保中央会のドイツ医療保険制度調査団は5月21日、ドイツ医療保険制度(第4次)調査報告書をまとめた。糖尿病など6疾患を対象に、保険者が継続的に保健指導と治療を実施する「疾病管理プログラム」を導入し、患者・被保険者の健康管理を進める―内容など紹介している。わが国の特定健診・保健指導が予防に重点を据えた仕組みになっているのに対し、疾患対象者に絞るもので、取り組みが注目される。
ドイツにおける疾病管理プログラム J.Natl. Inst. Public Health, 57(1):2008
ドイツでは,慢性病の治療に関し,医療供給者間での連携・協力関係の欠如が問題となっている.このような問題を解決するための方策として,疾病管理プログラムの制度が導入された.この制度の目的は,糖尿病などの慢性病の患者に対して,医療供給者間で相互に連携の取れた適切な治療が継続的に行われることを確保することにある. 疾病管理プログラムは,医療保険の保険者である疾病金庫により実施される.疾病管理プログラムへの被保険者及び医師の参加は任意であるが,参加した被保険者には検診の受診及び患者教育への参加が,参加した医師には根拠に基づく指針に沿った診断・治療の実施が義務づけられる.一方,実施疾病金庫,参加した被保険者及び医師にはそれぞれ経済的なメリットが与えられる.

対象となる疾患は「2型糖尿病」「1型糖尿病」「冠動脈性心疾患」「乳がん」「喘息」「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」の6つ。
保険者が健康管理を行うとともに、医療機関は連邦保健省(日本での厚労省)が法令により定めた統一基準に基づいた「根拠のある」疾病管理プログラム(これも法令で定める)に従って診断・治療を行うという内容です。

日本が、保健指導に細かい基準を作ったのに対し
慢性疾患患者を対象としたドイツのプログラムでは、診断・治療に関して細かい基準をつくったようです。

参加した患者のサンプリング調査では、97%の方が、「参加をつづけたい」、95%の方が「友人などに勧めたい」など前向きに捉えており、「健康的な生活を送る事への動機付け」につながっているとのこと。

成果もでているため、今後は、肥満患者や心不全疾患患者も対象とする方向で検討されています。

日本は「発症予防」をターゲットにしていますが、こっちはどうなることでしょうか。