保健師のまとめブログ

保健師が気になった情報をまとめています。

保健所長と保健師と医師

岡山県が管轄する5保健所のうち4保健所の所長が空席という異常事態になっているようです。(ちなみに政令市の岡山市と、中核市の倉敷市は自前の保健所あり)

岡山県内4保健所長が空席 相次ぎ依願退職し“非常事態” 山陽新聞(2021.4/20)
www.sanyonews.jp


記事中にもありますが

所長は原則医師資格が必要なことなどから、急な手当てが難しいためだ。


所長は原則医師の資格が必要です。
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所長は"原則"医師の資格が必要です。
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所長は"原則"医師の資格が必要です。


ここで「原則」という表記に引っかかったあなた!あなたには、法規の違和感に気づくという素敵な能力があります!(世間一般ではあまり役に立ちませんが時々役に立ちます)。

そう!保健所長は「原則」としては医師しかなれませんが。「例外」があるのです。

とりあえず、保健所の所長について法令で明記しているのは「地域保健法施行令」ですが、その第四条で

地域保健法施行令

(所長)
第四条 保健所の所長は、医師であつて、次の各号のいずれかに該当する法第五条第一項に規定する地方公共団体の長の補助機関である職員でなければならない。
一 三年以上公衆衛生の実務に従事した経験がある者
二 厚生労働省組織令(平成十二年政令第二百五十二号)第百三十五条に規定する国立保健医療科学院の行う養成訓練の課程(以下「養成訓練課程」という。)を経た者
三 厚生労働大臣が、前二号に掲げる者と同等以上の技術又は経験を有すると認めた者

とあるように、所長=医師を最低条件としています。しかし同条第2項で

2 前項の規定にかかわらず、法第五条第一項に規定する地方公共団体の長が医師をもつて保健所の所長に充てることが著しく困難であると認めるときは、二年以内の期間を限り、次の各号のいずれにも該当する医師でない同項に規定する地方公共団体の長の補助機関である職員をもつて保健所の所長に充てることができる。
一 厚生労働大臣が、公衆衛生行政に必要な医学に関する専門的知識に関し医師と同等以上の知識を有すると認めた者
二 五年以上公衆衛生の実務に従事した経験がある者
三 養成訓練課程を経た者
3 前項の場合において、やむを得ない理由があるときは、一回に限り、当該期間を延長することができる。ただし、二年を超えることはできない。

首長が「所長にできる医師がいない!やばい!」と認めたときは、医師以外の者を2年限定(最長4年)で保健所長にすることができるのです。
つまり2項の規定により、保健師も2項第一号〜三号を満たせていれば保健所長になれる可能性も微レ存なのですが・・・

(職員)
第五条 保健所には、医師、歯科医師、薬剤師、獣医師、保健師、助産師、看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、管理栄養士、栄養士、歯科衛生士、統計技術者その他保健所の業務を行うために必要な者のうち、当該保健所を設置する法第五条第一項に規定する地方公共団体の長が必要と認める職員を置くものとする。
2 前条第二項の規定により医師でない法第五条第一項に規定する地方公共団体の長の補助機関である職員をもつて保健所の所長に充てる場合(前条第三項の規定により当該期間を延長する場合を含む。)においては、当該保健所に医師を置かなければならない。

第五条第2項で「医師じゃない職員を所長にした場合は、絶対に保健所の職員に医師を配置しろよ」とあるので、その医師を所長にする方がいいに決まっているじゃないのかとツッコミが入るわけです。

まあ、法律上は保健所長である保健師(期間限定)の指示に従う医師が爆誕する可能性も無きにしもあらずというのが、面白いところではあったりします。

(ところでこの話題、2回目じゃない?)

読売新聞は大企業と上級国民絡みのときだけ言い訳記事を作る説

容疑者でなく元院長、加害者の呼び方決めた理由 読売新聞(2019.5/10)

4月19日に発生し、12人が死傷した東京・池袋の暴走事故から5日間で、読売新聞は読者から100件近いご意見を頂戴しました。その大部分は、事故の加害者である「旧通産省工業技術院の飯塚幸三・元院長」の表記に関するご指摘でした。


なぜ「飯塚幸三容疑者」ではないのか?


最も多かったのはこうしたご質問でした。「2人も殺しているのだから容疑者ではないか」「(加害者が)入院して逮捕されていないからといって、この人がやったことに間違いないではないか」。このような内容です。


ちょっと回り道をしますが、読売新聞に「容疑者」が登場したのは30年前です。それまでは逮捕された人(法律用語では被疑者といいます)は呼び捨て、刑事裁判中の人には「被告」を付けていました。


いや〜わざわざ「ちょっと回り道をしますが」と言い訳をした上で、言い訳の記事を作るとか、色々察するものがありますね。


ところで、わざわざ言い訳記事を作っているのを見て思い出したんですが、
読売新聞ってパナマ文書のときも言い訳記事をつくってましたね。

読売新聞は、「パナマ文書」に記載されている日本の企業や一般個人を、現時点では匿名で報道します。

各国の税制は異なり、日本の企業や一般個人がタックスヘイブンを利用していても、国内で適正に納税していれば、税法上、問題視することはできません。


推定無罪の原則を適用するのであれば、上級国民とかタックスヘイブンを利用できる大スポンサー様の時だけではなく、一般国民とか医療法でスポンサーには慣れない医療機関に関しても同じ扱いをしてほしいものですね。



アプリ版お薬手帳(電子お薬手帳)について

保健師であっても病気になるときはなるわけでして、必要な時は、お薬も処方されます。(そりゃそうだ)

そうなると、処方箋を持って調剤薬局に行くのですが、そこで確認されるのが「お薬手帳は持ってますか?」です。

まあ、そんなに病院もいかないし、iPhone 3Gの時からのiPhoneユーザーですしってことで、アプリ版のお薬手帳をダウンロードしてみました。

ほら、ナウいじゃないですか。「アプリ」って。

ナウでヤングな感じがするじゃないですか。

というわけで、「アプリ版はあります」と薬局でiPhoneを"葵の御紋"のように掲げて宣言すると

薬局「お薬手帳持っていますか?」
自分「アプリ版のお薬手帳ならあります」
薬局「そうですかー。ならQRコードで発行しますね」

と、通常のお薬手帳であれば、シールなどで渡されるお薬情報ですが
アプリ版だと「QRコードを読み込んでね」となります。

なので読み込んでみると、こうなりました。

f:id:hokenshi:20160924001405j:plain

▲お腹壊したことがバレそうな・・・

「ほほーう、便利やん」

と思ったのですが、友達の薬剤師さんが言うには

  • 一覧性が悪い
  • スマホは個人情報満載なので取扱が大変
  • 救急搬送した時にロック解除が必要だと詰むじゃん
  • アナログ(お薬手帳)はいいぞー

とのこと・・・確かに。