◇外来主治医:75歳以上1人に1人 医療費抑制狙い制度化 毎日新聞(2008.1.6)
厚生労働省は今年4月から始まる後期高齢者医療制度で、複数の病気にかかっていることも多い75歳以上の患者の心身状態を1人の医師が総合的に診察する「外来主治医」(仮称)制度を導入するが、5日までにその全容が固まった。
原則、患者1人に1人の主治医とし、高齢者が複数の医療機関にかからないようにすることで、医療費を抑制するのが狙いだ。資格は、お年寄りの日常生活能力を判定する機能評価の演習など4日間程度の研修を受け、厚労省に届け出た医師に与えられる。
「後期高齢者に対する、アクセス制限とDPC(診断群分類別包括評価)適用が4月から導入される」という、記事なのですが・・・
アクセス制限 | 多重受診を制限するために、かかりつけ医での受診しかできなくなるようにするもの。 かかりつけ医←この案では外来主治医が専門医に診てもらった方がいいと紹介したときは他機関を受診できる |
DPC | ○○という疾患なら診療報酬は○○点と定額制にすること |
という内容であり、これを導入することで「ドクターショッピングや医療機関のサロン化を抑制でき、医療費削減につながる」と国は考えているようです。
厚労省のサイトには、まだ資料が掲載されておらず詳しい内容が不明のため、詳細は資料掲載後に見ていくとして、気になるのが、これを「4月から導入する気満々」な点。
日本の医療制度は、これまで皆保険・フリーアクセス・出来高制で実施してきていたのですが
平成20年4月まで | 平成20年4月から |
---|---|
フリーアクセス | アクセス制限 |
出来高制 | DPC(診断群分類別包括評価=定額制) |
と、制度を大幅に変更・・というか、全く違う制度に変えるにも関わらず、準備期間が数ヶ月というのは、ちょっと無理なんじゃないのかな・・と。
「4月からは原則として1ヶ所しか通院できませんよ」と75歳以上の方に広報して、理解してもらい、外来主治医1ヶ所を選び、高齢者総合診療計画書に同意してもらうという作業を、数ヶ月間で行うことが可能なのか・・少し不安です。。というか、大混乱に陥りそうで・・4月が怖いです・・
◇参考リンク
高齢者総合診療計画書の案は、厚労省のサイトにありました。
○後期高齢者の外来医療について(PDF) 中医協 診療報酬基本問題小委員会(第112回)
DPCについては、下記の記事で少し触れています
○連合が考える医療制度改革「2025年の医療のあり方」←経団連と同じ内容 - 保健師のまとめブログ2