◇若者に海外離れ 旅行者減、業界は危機感 パソコンで行った気分? FujiSankei Business i.(2008.4.30)
日本旅行業協会が航空会社などに呼び掛けて発足した特別委員会が、新たな「ビジット・ワールド・キャンペーン」を主導。佐々木隆委員長(JTB社長)は「初めて海外に行ったとき、強烈な驚きと刺激を受けた。旅行業界が自ら立ち上がり、関係機関と連携して海外旅行への新鮮な興味を取り戻したい」と決意を示す。
なぜ若者が海外に出ないのか−。推進委の沢辺宏推進室長は「パソコン一つで世界中の情報が楽しめる。『頭の中の旅』が新鮮さを奪った」とみる。推進委は「まず一度は海外の魅力を体感してもらおう」と、個人では尻込みする人も参加できる修学旅行や職場旅行のてこ入れのほか、若者層向けの海外イベントなども計画している。
それは、ないない。
「金・時間・余裕がない」からですよ>推進室長さん
むしろ、パソコンで見れば見るほど、行きたくなるってもんです。テレビでやっている「世界の車窓から」も、旅行欲をかき立てていますし・・・
最近、「若者の○○離れ」という言葉が流行っています。車・テレビ・理系・結婚云々と色々言われていますが
「若者の車離れ」は、買うお金がないから
「若者の理系離れ」は、技術者が報われないから
「若者の結婚離れ」は、結婚資金もなければ、将来も不安だから
「若者のタバコ・酒離れ」は、お金がない上に、ノミニケーションが嫌だから
「若者のテレビ離れ」は、ただ単にテレビが面白くないから
「若者の新聞離れ」は、各紙それぞれ偏っているから(といって複数は購読できない)
理解できない現象を「インターネットの影響」「パソコンの影響」とするのは簡単ですが「買いたくても買えない。やりたくてもできない」が現実です。
企業自身が「若者がモノを買えない時代」にした結果とも言えるかもしれませんね
と、思っていたら、的確な記事がありました。
◇「PCとネットで海外に行った気分」? “海外離れ”分析に反応冷ややか IT media News(2008.5.2)
佐々木隆委員長(JTB社長)は「初めて海外に行ったとき、強烈な驚きと刺激を受けた。旅行業界が自ら立ち上がり、関係機関と連携して海外旅行への新鮮な興味を取り戻したい」と決意を示し、沢辺宏推進室長(JATA)が冒頭の分析を語ったところ、ネット上で若者たちの怒りが噴出した。
「年収200万円以下が1500万人じゃ無理もない。ラブホテルさえ行けない」「(海外へ行かないのは)経験の有無じゃない。テレビやネットで見られるからでもない。もう、憧れがないからだ」「『若者の〇〇離れ』というが、クルマ、プロ野球、テレビ、理系、パチンコ、CD(レコード)、結婚などすべて、30年前の価値観だ」
実際に旅行代理店で働く若手社員らの反応も、極めて冷ややかだ。大手旅行代理店の男性社員(26)は「学生時代の同級生に自社商品を売り込んでも、行く人はほとんどいません。忙しかったり、お金がなかったり、面倒くさがったり…。私も普段の営業で疲れ果て、温泉には出かけても、海外まではとても行く気になれません」。
経済ジャーナリストの荻原博子氏も「今の若い人は不況の中で育っており、海外旅行全盛時代を知る世代には信じられないほど堅実。初めから、海外旅行にお金を使う習慣がないのです。さんざん将来の不安をあおられてきた上、この時代を生き抜くために必死なんです。ネット情報だけで、旅行に行った気になるはずないでしょう」と切り捨てる。
これが若者のホンネの声ですし、荻原氏の分析がもっともです。
◇若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来