行政保健師とは
都道府県や市町村などの行政機関で働く保健師を行政保健師や地域の保健師といいます。保健師の2/3は行政保健師として働いており、もっとも数が多い職場です。
行政保健師の仕事内容
対象の違い
都道府県で働く保健師 | その都道府県民 |
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市町村で働く保健師 | その市町村民 |
疾病の予防活動や健康の増進、在宅で病人を抱えている家族への家庭看護方法の教育、保健情報の提供などとともに、医療機関やかかりつけ医、訪問看護師などとの連携を促す役割も重視されています。
1.都道府県保健師「広域的・専門的な業務」
都道府県保健師の職場は、都道府県庁や都道府県が設置する保健所となっています。地域保健法の施行により、主に「広域的」「専門的」な業務を行うことになりました。
- 障害者(精神・療育など)、難病患者、結核やエイズ患者等への保健サービス
- SARSや新型インフルエンザに対する危機管理
- 市町村保健師への研修など技術的な支援
- 管轄内の保健医療システムの整備
- 疫学や統計など
2.市町村保健師「住民に身近な保健サービス」
市町村保健師の職場は、市町村役所や市町村が設置する保健センターとなっています。地域保健法の施行により、「住民に身近な保健サービス」は市町村が行うことになりました。
- 乳幼児や妊産褥婦などへの健診や訪問指導
- 特定健診・特定保健指導やがん検診、婦人健診(乳がん検診・子宮がん検診等)
- 精神障害者や知的障害者、身体障害者への支援
- 介護保険など高齢者への支援 などを行います。
行政保健師の給与・待遇など
同じ自治体の場合、自治体立病院の看護職と、役所の保健師の基本給は一緒です。これは、公務員の場合、給与表(俸給表)によって、給与が決まるのですが、病院の看護師も役所の保健師も適用される給与表が同じ「医療職(3)保健師・助産師・看護師」となっているからです。
ただし、病院勤務の場合は、病棟勤務手当や夜勤手当・休日出勤手当などが加算されるため、月給の場合、約5万円ほど病院勤務の方が高くなります。
が、それを補って余りあるのが、「休み」の部分です。
部署によって違いはありますが、病院に比べると年休や産休、育休が取りやすい環境となっています。また、精神的には病院よりきつい時があるものの、肉体的には病院に比べきつくないと言えます。病院に比べ定年まで働ける環境であると言えましょう。
行政保健師になるには?
行政保健師になるには、「公務員採用試験」に合格する必要があります。公務員採用試験については、記述が多くなりましたので、別記事にてご紹介します。