臨床試験・治験とは
1.治験とは
新薬開発の為の「治療を兼ねた試験」のことをと言います。
承認前の医薬品の候補となる薬剤を、実際に、患者や健康な人に投与することにより、安全性(副作用の有無、副作用の種類、程度、発現条件など)と有効性(効果、最適な投与量・投与方法)を確かめます。
ちなみに「治療試験」の略で、治験です。
2.臨床試験とは
追跡調査や既存の医薬品の別の効能を調査・確認するなど、新薬開発に限らない全ての試験を指します。
臨床試験・治験の流れと関わる職種
臨床試験や治験は
順番 | 内容 | 担当者 |
---|---|---|
1 | 医療機関選び・進捗管理 | CRA |
2 | 医療機関で医師や被験者を支援 | CRC |
3 | 2で得たデータを製薬会社へ | CRA |
4 | 3のデータを整理・品質の保持 | DM・QA |
5 | データを厚労省へ提出 | 製薬会社 |
と言う流れで、新薬開発を進めていきます。
1.CRAとは
「Clinical Research Associate」の略で、日本語では「臨床開発モニター」。モニターと呼ばれます。
○業務内容
治験が治験実施計画書や各種法令等を遵守し、科学的・倫理的に行われていることをチェック・モニタリングし、治験データが正確であることをすることが主な業務であり責務です。そのため、カルテなど治験に関する全てのデータの閲覧が認められています。
理系大学の出身者や看護師や薬剤師、臨床検査技師、MRなどの資格を有している方が求められています。
○年収
未経験者で約400万円前後
2.CRCとは
「Clinical Research Coordinator」の略で、日本語では「臨床治験コーディネーター」。コーディネーターと呼ばれます。
○業務内容
医療機関や施設内で、治験担当医師と被験者の仲介役となり、治験が適切に進むようにコーディネートを行っていくことが主な業務です。
被験者に治験の説明を行い、参加への同意を得るインフォームドコンセントを行う、被験者の心理的なケアを行うなど、コミニケーション能力が非常に重要であり、大切な役割を担います。
医療機関で働くことが多く、医師や患者と直に接することも多いため、看護師や薬剤師、臨床検査技師などの資格を有し、臨床での勤務経験があることが望ましいと言われています。
○年収
未経験者で約400万円前後
3.DMとは
「Data Management」の略です。
○業務内容
CRAが持ち帰った治験データを、入力し、チェック・修正を行い、統計解析担当者が治験薬の効果を統計的に検証するための準備を行う事が業務となります。
○年収
未経験者で約350万円前後
4.QAとは
「Quality Assurance」の略で、日本語では「品質保証」
○業務内容
治験がGCP(治験の実施基準)やプロトコル(治験実施計画書)に沿って実施・データ作成・記録化・保存・報告されているかを管理します。
○年収
未経験者で約350万円前後