◇シートベルト妊婦さんも 『免除』から『指導』へ教則改正 東京新聞(2008.11.6)
警察庁は六日、妊娠中の女性が車に乗る際のシートベルトの着用について、腰ベルトや肩ベルトが腹部の膨らみを横切らないようにするなど正しい着用方法を指導する方針を決めた。来週中に「交通の方法に関する教則」(国家公安委員会告示)を改正する。
これまで、妊婦さんのシートベルト着用については、「着用義務」が免除されていました。
シートベルト着用が義務化された80年代当時は、腰ベルトのみの二点式シートベルト(飛行機のシートベルトみたいなヤツです)が主流であったため、衝突時に腹部への圧迫=胎児への圧迫が強いことが懸念されていたためですが
現在、主流である三点式シートベルトは、正しく装着していれば問題がないどころか、お母さんも赤ちゃんも守ってくれることが明らかになっています。逆に、シートベルトをしていない方が、母子ともに衝突時のリスクを高めることがあります。
妊婦のシートベルト着用を推進する会より引用↓
救急室のある総合病院に勤務しています。
たまたま遭遇した警察の検問で、それまでは毎日着用していたシートベルトを外すように指導され、その翌日に交通事故に巻き込まれた妊婦さんがいました。
事故の際はシートベルトを着用していなかったため、妊娠子宮をハンドルに強打させた事が原因で、胎盤が剥がれてやむなく超未熟児を生む事になりました。
このような悲劇を繰り返さぬよう、何とかしなければと思ったのがそもそものきっかけです。
実は、この話については、妊婦シートベルトの会の村尾先生より直接、講話を伺ったことがあるので印象に残っていたのですが、ついに、警察庁もシートベルト着用が免除から指導に変わることになりましたね
ちなみに、村尾先生は、主要先進17ヶ国の在日大使館にも電話をかけ、それぞれの国でどのような扱いになっているかを調査していたりもします。
着用義務 | 国名 |
---|---|
一律義務づけ | アメリカ、カナダ、スウェーデン、フィンランド、ベルギー、オーストリア、ギリシャ、スペイン、イスラエル、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール |
診断書などがあれば例外可 | イギリス、ドイツ、イタリア、オランダ、スイス |
装着義務なし | 日本 |
「装着義務がないのは日本だけ」ということを聞いた自分も、びっくりしてました
実際の着用方法については、こちらをどうぞ↓
◇妊娠中のシートベルト着用の啓発ポスターについて 日本産婦人科学会(2008.11.10)
◇妊婦独自のシートベルト装着方法 妊婦のシートベルト着用を推進する会
(管理人注釈:INCORRECT→間違い CORRECT→正解)
1 腰ベルトは妊娠子宮の膨らみを足側に避け、腰骨の 最も低い位置、即ち両側の腰骨の突起部分(上前腸骨棘)〜下腹部の真中の骨のでっぱり(恥骨結合前)を結ぶ線上に通す。
両側のふともも(大腿部)を横切ってベルトを通すことができれば、なおよい。腰ベルトは妊娠子宮の膨らみを、決して横切ってはならない。
2 肩ベルトは妊娠子宮の膨らみを頭側に避けて、両乳房の間(胸骨前)を通って、わき腹(側腹部)に通す。肩ベルトも妊娠子宮の膨らみを、決して横切ってはならない。また、頭側にずれて首をこする事も無いよう気をつける。
3 妊娠子宮の膨らみとハンドルの間に若干の空間ができるよう、座席シートの位置を前後に調節する。
4 ベルトが緩むことなく、ぴったりと体にフィットするよう、座席シートの傾きや位置を調節する。
※要するに、妊娠子宮の膨らみをまともに通らぬよう、子宮の上下に避けて、骨の上にシートベルトを通すことです。