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悪玉コレステが減っても、善玉コレステが少ないとリスク高い


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LDL-C値を下げてもHDL-C低値はリスク高い LDL-C値が70mg/dL以下でも要注意 日経メディカル(2007.10.18)

スタチン治療によりLDLコレステロール(LDL-C)値を下げると、心血管イベントのリスクは有意に下がる。では、LDL-C値を非常に低くすれば、もはやHDLコレステロール(HDL-C)値とリスクは無関係なのだろうか。冠疾患歴を有する患者にスタチンを投与した大規模研究の結果を事後解析したところ、LDL-Cが70mg/dL(1.8mmol/L)未満のグループでも、HDL-C値低値の人々のリスクは高値群に比べ約40%高いことが明らかになった。オーストラリアHeart Research InstituteのPhilip Barter氏らの報告で、詳細はNEJM誌2007年9月27日号に掲載された。

LDLコレステロール いわゆる悪玉コレステロール
HDLコレステロール いわゆる善玉コレステロール

ですが、実際はコレステロールの種類ではなく、中性脂肪コレステロールの割合が違うのですが・・まあそれはおいといて曇り
上記の研究でわかったのは、いくら悪玉コレステロール(LDL)値を下げても、善玉コレステロール(HDL)値が足りてなければ、心血管イベント(冠動脈性心疾患や脳血管疾患)のリスクは高いということみたいです。


さて、ちょっと話は変わりますが、健診などで

「LDLも、中性脂肪(TG)もそれほど高くないのに、HDLが低い」というケースが見られます。
「あれ?なんでHDLだけ低いのかな〜」と保健指導で詰まることもありますが、「検査値に基づいた栄養指導」という本に詳しい説明がありました。


検査値に基づいた栄養指導―生活習慣病への取り組み


のP190に「HDLが低値の場合」という項目があるのですが、理由として

1.肉類・卵を過剰に制限している(動物性たんぱくを必要以上に制限するとHDLは低下する)
2.たんぱくを大豆製品からの摂取に偏重している(上記と同じ)
3.リノール酸の取りすぎ(HDLが低い場合にリノール酸を取りすぎると総コレステロール(TC)もHDLも下がる)
4.禁酒(禁酒するとHDLが下がる。禁酒が必要なら、その他の項目で是正する)
5.運動不足(有酸素運動はHDLを上昇させる)

の5つがあげられています。


他にも「LDLが高値の場合」や「AST・ALTが基準値上限でBMIが基準値で体脂肪率が高値の場合」など、さまざまなパターンがわかりやすく掲載されているので、特定保健指導を行う方におすすめです。


◇関連記事
LDLコレステロールの基準は140未満?190未満? - 保健師のまとめブログ2(2008.11.28)



◇参考リンク
HDL Cholesterol, Very Low Levels of LDL Cholesterol, and Cardiovascular Events(ソースの原文) The New England Journal of Medicine(NEJM)